BLOG

もし一人暮らしの高齢者になったら その時にそなえるために

平成31年(2019年)4月19日国立社会保障・人口問題研究所が2019(平成31)年推計の「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」を公表しました。

この概要の15ページに以下のような記載があります。

65歳以上の単独世帯主が65歳以上人口に占める割合(65歳以上人口における独居率)は、「全国推計」によれば全国では2015年の18.5%から2040年の22.9%へ上昇する。

(出典:国立社会保障・人口問題研究所が2019(平成31)年推計の「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」

http://www.ipss.go.jp/pp-pjsetai/j/hpjp2019/gaiyo/gaiyo.pdf)

2040年には65歳以上の方のうち、およそ4.3人に1人が一人暮らしをしているというお話です。

生涯未婚率の上昇や熟年離婚、早い年代での配偶者との離別など様々な背景はあろうと思いますが、高齢期に一人暮らしを迎えることになる方の割合は今後増えていくことになりそうです。

すでに今でも私の周りでも一人暮らしをしている高齢者の方はいらっしゃいますし、そういうお話も耳にします。

4.3人に1人といっても施設等に入所される方は「一人暮らし」とはいえないのですが、それぞれに個室のある施設では一人でいる時間も長いわけで、広い意味では一人で暮らす可能性は誰にでもあるのではないかと私は考えています。

今日は一人暮らしの高齢者になったらどうするか、その備えや気をつける点についてお話をしていきます。

 

一人暮らし高齢者の生活費の目安は?

まずはFP的な視点で日々の生活費についてからお話します。

ただこれについては以前に独身の方の老後の生活費についてすでに下記の投稿でお話をしています。

独身の老後の生活費はいくらかかるのか?定年後の収入や老後資金の目安の考え方

詳細はそちらをお読みいただきますようお願いしたいのですが、こちらでもポイントについては触れておきます。

総務省の家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)家計の概要によれば60歳以上のいわゆる高齢単身無職世帯の家計収支は、月々実収入が123,325円に対し、消費支出が149,603円、これに税金等の非消費支出12,392円を加えた支出合計が161,995円となっています。

毎月の不足額は38,670円となりますから、この不足額を基本として考えると1年間の不足額は464,040円、70歳までで4,640,400円、80歳までで9,280,800円、90歳までで13,921,200円となり100歳までで18,561,600円となります。

ただしこれはあくまで公表された資料に基づいた机上の計算です。

実際にはその方の暮らし方や住まいの選び方、個々の方の年金額や定年後の働き方など様々な要素がかかわってきます。

 

また配偶者を亡くされて一人暮らしになる方はいわゆる遺族年金のことも考慮に入れる必要が出てきます。

ただその受け取り方については注意する必要があります。

下図は配偶者の方が亡くなった後の遺族年金の基本的な考えを示したものです。

この事例では夫が妻に比べて年金を多く受給できる形としています。

夫死亡後の遺族年金と妻本人の老齢年金の受給については図の①~③まで3つのパターンがありますが、通常1つ目か2つ目になろうかと思います。

ただ概ね夫婦二人の時に比べれば5割から6割程度になってしまうことに注意が必要です。

配偶者の方が亡くなった場合年金事務所で死亡届などの手続きが必要になりますが、その際遺族年金のもらい方についても相談するようにしましょう。

これは父が亡くなった際、母と一緒に年金事務所に赴いたときの経験談でもあります。

収入と支出の目安はありますが、もしもの時にはどうなるのか調べておくようにしましょう。

 

一人暮らしの高齢者のための支援や相談先、見守りは?

一人暮らしになったとき、定期的な外出先やスケジュールをお持ちの方はいいのですが、そういったことが不定期になってしまう方がいらっしぃいます。

出ることそのものが不得手という方もいらっしゃるでしょう。

しかしながらあまり外部のとの定期的なつながりなどがないまま例えば体調を崩したりしてしまうとその発見が遅れるようなことも考えられます。

またいわゆる「独居認知症」といわれるような事態になることも考えられます。

いわゆる「孤立化」を防ぐためにいろいろと地域とのつながりなどを早い時期から作っておくことは大切ですが、それ以外に行政の取り組みなども知っておくとよいでしょう。

一般的に良く知られている取り組みとしてあげられるものは地域包括支援センターです。

介護や福祉、健康、医療など高齢者の方の様々な生活に関する相談窓口になってくれるところです。

各自治体に存在し、例えば練馬区では25箇所のセンターが設置されています。

ご自身のお住まいの地域の支援センターがどこにあるのか連絡先はどこかなど、お住まいの自治体の役所に聞いてみたりホームページで調べてみたりなどすればわかります。

ぜひ知っておいていただくことをお勧めします。

 

もう一つ離れて暮らす親族の方などは一人暮らしの高齢者の方の普段の様子が気になったりすることもあるでしょう。

このため最近は様々ないわゆる「見守りサービス」があります。

有料のものとしてはセキュリティ会社の機器を使ったサービスや郵便局に代表される訪問型のサービスなど様々なタイプのものが存在します。

毎月数千円のコストが発生しますので、見守りの内容など契約詳細を確認した上で利用を検討することも一つだと思います。

 

また最近では自治体によって介護サービスを利用していないような一人暮らしの高齢者の方を週1回程度、地域のボランティアの方などが短時間ですが訪問するような事業も登場してきています。

練馬区では「ひとり暮らし高齢者等訪問支援事業」を行っています。

また名称は違いますが杉並区や目黒区などでも同様の事業が行われています。

お住まいの地域にこういった事業があるかどうか確認することも一つの方法です。

一人暮らしの不安解消のためにもこういう制度の活用を検討してみてください。

 

一人暮らし高齢者の住まい

賃貸で暮らしていても持家で暮らしていても、一人暮らしの高齢者にとっては同じところでずっと住み続けることができるかどうかは一つ頭の中に留めておいていただきたい問題です。

以前に「人生100年時代」高齢期の住まいの選択肢という投稿でこの件についてはお話していますのであわせてお読みいただければありがたいのですが、高齢期の住まいは健康の問題と大きな関係があると思います。

体調によっては将来的に施設等に入所することも検討する必要があるでしょう。

住み慣れたところで暮らしていくことは大切です。

ただ体調が変化してくればそれもままならなくなる可能性はあります。

自分の健康状態と相談しながら早め早めのプランを立てておくことが大切です。

施設見学なども体が動くうちに行っておくことが重要になります。

先程の投稿もお読みいただき一度ご検討してみてください。

 

最後に一つ。

一人暮らしの高齢者の方が気をつけていただきたい点をお話してきたわけですが、一人暮らしは大変なことばかりではないようです。

近隣の方とも良好な関係を作っている方もいらっしゃいます。

積極的に地域のボランティア活動などに従事している方も存じ上げています。

図書館にも良く通い本を借りて読み読書記録をつけたりしているというお話もお聞きしました。

70歳を過ぎてそれまでやったことのないことをしたという方もいらっしゃいました。

そういえば私事ですが実家の母は一人暮らしがとても気楽だと言っています。

一人暮らしを続けていくことはネガティブな面だけではない、前向きに楽しめるものでもあるということは最後に付け加えておきたいと思います。

高齢期の一人暮らしをどうするのかはリタイアメントプランの一環です。

当事務所でもご相談をお受けしていますのでお問い合わせいただければ幸いです。

詳しくはこちらのリタイアメントプランニングに関するサービスのページをご覧ください。

関連記事

ページ上部へ戻る