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公正証書遺言とはどんな遺言か?

遺言書

前回(自筆証書遺言とはどんな遺言か?)同様これまでに当ホームページ内ブログでお話ししてきた遺言に関するお話しについて2019年の改正相続法及び2020年7月施行予定の「遺言書保管法」を考慮しつつ、再構成してお話しすることにします。

なお今までの投稿も改正相続法にあわせて修正をしていますのでお話しの途中でそのリンク先をご紹介させていただきます。

今日は公正証書遺言についてその作成の流れや必要なもの、費用などについてのお話しです。

 

公正証書遺言作成の基本的な流れ

公正証書遺言の要件はもちろん民法の条文(第969条)に記載されています。

まず条文上のポイントをわかりやすくしてまとめてみます。

・証人が二人以上必要

・遺言者が遺言の趣旨を公証人に伝えること

・公証人が伝えられた遺言書を筆記して遺言者と証人に読み聞かせること

・内容を確認した遺言者と証人が署名押印すること

・公証人がその遺言書に決まった方式に沿って作られた遺言書である旨を付記して署名押印すること

となります。

 

条文上諸々規定はあるのですが、実務的には以下のような流れになることが通常かと思います。

・事前に公証役場にお伺いして遺言書の文案などについて協議

   ↓

・文案がまとまったら公証人の方と作成日程(先程の遺言書の読み聞かせ署名押印の日)の打ち合わせ

   ↓

・作成当日公証人から内容の読み聞かせを受け、証人二人とともに署名押印

   ↓

・遺言者及び証人が署名した遺言書原本を公証役場が預かり、遺言者には正本と謄本が渡される

なお証人のところ、条文は「二人以上」となっていますが、実務的には証人は二人であることが通常です。

 

公正証書遺言作成に必要なもの

さていかに「遺言書の文案」を協議するにしても何もなく協議するわけにはいきません。

特に公正証書遺言には不動産や預金口座などの内容が細かく記載されます。

ケースによって違いますがどういった書類を準備する必要があるでしょうか?

主だったものとしては以下のような書類があげられます。

・戸籍謄本(遺言者と相続人の関係が確認できるもの)

・受遺者の住民票

・固定資産税評価証明書又は納税通知書(不動産の固定資産税評価額がわかるもの)

・不動産登記事項証明書

・預金口座番号などのわかる通帳の表紙部分の写し

・遺言者本人の印鑑証明書(実印)や運転免許証といった本人確認書類

この他遺言の内容によって必要なものが出てくることもありますが、基本的にはこういったものが必要です。

 

公正証書遺言の証人とは?

さてここまで再三出てきている公正証書遺言の「証人」について触れておきます。

公正証書遺言はその作成当日、公証人が遺言者に内容を読み聞かせる際に、証人二人以上の立会いが必要になります。

また証人は遺言書原本に遺言者とともに署名押印することになり、証人も本人確認できる書類が必要です。

 

ところでこの証人には、民法第974条によってなることのできない人がいます。

次の方々です。

・未成年者

・推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族

・公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

難しい言葉が並びましたが、特に多くの方が気になるのは二つ目です。

わかりやすく言うと遺言者の配偶者(夫または妻)、子どもやその配偶者、孫といった人たちをイメージいただければと思います。

遺言者の相続に直接的な影響のある方は証人にはなれないと考えていただければよいのではないでしょうか?

 

となりますと証人のなり手がいないという話も出てきます。

そこで費用はかかりますが公証役場に証人を手配していただくこともできますし、私も含め遺言書作成業務を行っているものは我々が証人を担当させていただいています。

私も何度も証人をしていますが、厳粛な感じで意外と緊張します。

 

公正証書遺言の費用の目安

さて次に公正証書遺言の費用についてです。

これは実は公証人手数料令という国のルールで決められていて、その基本は公正証書遺言については遺言書に記載した相続財産の金額と法律行為の数によって変わります。

まずその基本として下記に公証人手数料令の別表というものを掲載します。

公証人手数料令

上記を使ってあくまで参考としてですが、一つの例をあげます。

相続財産5000万円の遺言者が妻に4000万円、子に1000万円を相続させるという遺言を考えたとします。

この場合上の手数料令で行くと妻の分29,000円、子の分17,000円となりここまで46,000円となります。

ただ先程の公証人手数料令の第19条では、遺言加算という特別の手数料が存在します。

具体的には1通の遺言公正証書における目的価額の合計額が1億円までの場合は、11,000円を加算するとなっています。

したがって先程の46,000円に11,000円を足して57,000円となり、これが基本になります。

また祭祀主宰者の承継といういわゆる墓守りを子に頼むということを遺言書に加えるとこれは相続とは別の法律行為扱いになるためさらに11,000円が加わります。

(「祭祀主宰者の承継についてはこちらの「祭祀に関する権利の承継」とは?という記事もあわせてお読みください。)

またこれ以外に公証人に出張をお願いすれば別途出張料なども必要になります。

なお繰り返しになりますがあくまで、参考ですので、実際にお手続きされる際には必ず確認をお願いします。

また当事務所も含め専門家に作成に関する業務を依頼されますと、別途報酬が発生しますがその分、文案の作成や公証役場との打ち合わせ、必要な書類の取り寄せなどさらには証人立会いまでも行うのが通常です。

 

その他当ホームページ内ブログでは公正証書遺言について下記のようなお話しを今までしてきました。

公正証書遺言のメリットと注意点

ただよく言われてきたメリットであるいわゆる「検認」不要については2020年7月からの遺言書保管法により、法務局に保管された自筆証書遺言については検認が不要になることから強いメリットとはいいがたくなることが予想されます。

ただそれでも依然として公正証書遺言の利用を検討してもいい場合もあると思います。

よろしければ上記リンク先もぜひお読みください。

 

当事務所では文案の作成や公証役場との日程調整、証人の手配などお受けしています。

こちらの遺言書等終活支援等に関する業務案内ページをご確認いただきお気軽にお問い合わせください。

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