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住宅金融支援機構のリバースモーゲージ型住宅ローン「リバース60」とはどんなものか?

前回は「リバースモーゲージ」と「リースバック」をとりあげました。

高齢期における住まいと生活費に関する選択肢の一つとして簡単にではありますがお話ししましたので関心のある方は上記リンク先をご覧いただければ幸いです。

 

さてそんな中、最近テレビでも時折コマーシャルが流されている住宅金融支援機構の「リバース60」というものがあります。

機構は「住宅融資保険付きリバースモーゲージ型住宅ローン」という住宅ローンの通称を「リバース60」としています。

「60歳からの住宅ローン」というキャッチコピーがついているこの商品、果たしてどんなものなのでしょうか。

前回「リバースモーゲージ」を取り上げたので関連として今日はこれについてお話ししていくことにします。

で、このブログはなるべくわかりやすくお話しすることをモットーとしております。

前回同様どこまでわかりやすくできるか不安もありますが、ひとまず今回もお付き合いいただければ幸いです。

 

どんな時に利用を検討することが考えられるか?

繰り返しになりますがこの「リバース60」は「60歳からの住宅ローン」というキャッチコピーがついています。

以前に当HPブログ内で「人生100年時代」高齢期の住まいの選択肢」というお話しをしましたがその中で現在持家をお持ちの方の中には

・リフォームして住み続ける(バリアフリー化)

・建て直して住み続ける(二世帯住宅など)

・売却して住み替え(例:郊外の戸建てから駅前のマンション)

という選択肢がある旨に触れました。

ではこれらのことを行うにあたって手元資金だけで行うことが可能でしょうか?

1つ目については手元資金と月々の収支状況を考えながらの判断と言うことになろうかと思います。

3つ目の「売却して住み替え」の場合は現在の自宅にローンが残っておらず買い換え先の物件が売却代金の範囲内もしくは手元資金から少し足しても老後の生活費に影響がでなければその後の生活の不安は小さいと言えるでしょう。

2つ目はかなり潤沢な手元資金のある方でなければ難しいですよね。

 

では仮に借入を行ってこれらを行うとした場合、どのような借り入れを行うでしょうか。

理屈の上では60歳でも通常の住宅ローンを借りることができないわけではありません。

例えば同じ住宅金融支援機構の取り扱う住宅ローン「フラット35」の場合、申込時の年齢は満70歳未満とされています。

ただもう一つ年収に関する要件がこの「フラット35」にはあります。

年収が400万円未満の方であれば年収に対する借入が年収の30%以下、例えば399万円の方は119.7万円以下になります。

仮に120万円としても毎月10万円です。

年金収入だけの世帯であれば世帯年収400万円ということはほぼないでしょうし、毎月の収入の3割が返済に回るということはかなり厳しいわけで、通常の住宅ローンを借り入れることはかなり厳しい状況と言えるでしょう。

 

で、今日の本題ですが、この「リバース60」の場合は返済方法が通常の住宅ローンとちょっと違っています。

毎月返済額は元本の返済を含まず利息分を返済する代わりに、元本については借り入れを行った本人が亡くなった際にお住まいを売却して完済するか、相続人の方が残った債務を返済するかして借入を完済するという商品です。

先程も触れましたが機構ではこれを「住宅融資保険付きリバースモーゲージ型住宅ローン」と呼んでいてこの通称を「リバース60」としています。

 

さてこの「住宅融資保険」というのが一つのポイントです。

ちなみに別に借入をする方が加入する保険ではありません。

実際に融資を行うのは金融機関なのですが、この金融機関と住宅金融支援機構が「住宅融資保険契約」というものを結びます。

先程お話ししたように相続人の方が残った債務を返済する場合がありますが、これが直ちにできないケースでは機構から実際に融資を行った金融機関に保険金が支払われ、その後にお住まいを売却等して機構がそのお金を回収するということになります。

 

「リコース型」と「ノンリコース型」

さてもう一つ元本の返済について「借り入れを行った本人が亡くなった際にお住まいを売却して完済するか、相続人の方が残った債務を返済するかして」と申し上げました。

ではお住まいを売却してもなお債務が残った場合はどうなるのでしょうか?

この場合、この「リバース60」では相続人が残った債務を完済する「リコース型」と呼ばれるタイプと残った債務を相続人が支払わなくてもよい「ノンリコース型」の2種類があります。

金融機関によって取り扱いが違うので重要な注意点となります。

相続人の負担がないのは「ノンリコース型」であり機構の公表している2018年度申込分によれば9割がこの「ノンリコース型」だそうです。

一方で「ノンリコース型」のほうが「リコース型」より金利は少し高くなることがあるようです。

一例として両方のタイプを取り扱っている金融機関である広島市に本部を置く中国信用金庫さんのHPを2019年9月17日に閲覧したところ「ノンリコース型」のほうが「リコース型」に比べ0.15%~0.2%ほど高くなっています。

ちなみにこの金利ですが2019年9月ベースで公表されているところを見てみると2%台の半ばから後半の金利設定が多いようです。

このあたりも各金融機関によって違いますが、通常の住宅ローンから考えればやはり高めと感じるところはあります。

住宅金融支援機構「フラット35」のHPによれば2019年9月のフラット35の金利は最も多い金利(団信加入)が融資率9割以下で年1.110%、9割超でも1.550%となっています。

 

利用を検討する上での注意点

金利が高めであること以外にも注意する点があります。

融資額の上限が決められていてなおかつ担保評価額の50%または60%(金融機関によっては50%のみのところもあります。)までとされている点です。

例えば建て替えであれば最大5000万円の融資額ですが実際の費用がもっと少なければその費用までになりますしなおかつ担保評価額の50%または60%までしか融資はされないことになっています。

リフォームの場合でも最大1500万円ですが同様に担保評価額の50%または60%となります。

こうなると建て替えの場合は建築金額によっては結局手元資金の持ち出しがかさむことになり利息のみとはいえ支払いが増えることで月々の支出が増えることから、その後のキャッシュフローに影響がでないか慎重に検討することも大切になってきます。

またもう一つこの「リバース60」の取り扱い金融機関は全国で50余りとまだまだ少ないですし、さらに商品名には「リバース60」と入っておらず「リバースモーゲージ型住宅ローン」というような商品名になっていることも多いです。

したがって「リバース60」のHPなどで自分の希望している金融機関が取り扱っているかどうかなどの確認が必要です。

 

個人的には「リバース60」を使うにあたっては、手元資金は少なめだけど日々の収支にやや余裕があるという方が自宅のリフォームに利用するという形が比較的使いやすいのではないかと思っています。

手元資金を減らすことも少なく、またリフォームであれば1000万円にもなるようなケースはそれほど多くないと思いますので、月々の負担は利息払いのみなので大きく金額が増えるわけではないからです。

例えば金利2.5%で500万円借入の場合、毎月10,416円ということになります。

(変動金利ですので支払額は変わることがあります。)

手元資金は少ないけどこの負担をしても毎月の収支に大きな影響はない方でリフォームを試みたいという方は選択肢としてあってもいいと思います。

一方で建て替えなどの大きな出費を伴う場合はいかに利息のみの返済といっても負担が大きくなるわけで手元資金との兼ね合いを慎重に検討して利用することが重要です。

いずれにしてもこの「リバース60」の利用を検討する場合、保有している手元資金と月々の収支のバランスなどをしっかり把握しシミュレーションなどを行った上で判断することが大切になります。

また場合によっては転居なども含めた住まいの選択肢も併せて考えるようにしていただきたいところです。

リタイアメントプランや高齢期の住まいについて不安や心配のある方はこちらの業務内容ページをご確認いただきぜひ一度ご相談ください。

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