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「ライフプランを考える意味」を考える

ちょっとファイナンシャルプランナーらしからぬお話しを今日はしますが、時々自分でも

「ライフプランとは何なのだろう?」

ということを考えることがあります。

以前にライフデザインとライフプランいう投稿をこのブログでもしていますが、その際には「暮らし方の「設計」」と申し上げました。

またそこでもお話したように3つの領域があって例えばファイナンシャルプランはその中の「経済プランの領域」という一つの領域です。

ですから「ライフプラン」というものはもう少し広い範囲の事を指すわけです。

よろしければ先ほどのリンク先もあわせてお読みいただければ幸いです。

 

哲学的な視点で考えると・・・

一方で「ライフプラン」あるいは「生活設計」、「人生設計」といった言葉には批判的な意見もあります。

ライフイベントを考えるあたりに

「人生そのとおりにはいかない」

というふうに思うわけです。

 

先日ベストセラー「嫌われる勇気」の著者岸見一郎さんの書かれた別の本を拝読したところ

「人生設計はできない」

(岸見一郎著「成功ではなく、幸福について語ろう」(幻冬舎)118ページより引用)

という項があり、その中で

「人生は思い通りには絶対にならない。そのような現実の中で、どう生きていくかということを考えていかなければならない。」

(岸見一郎著「成功ではなく、幸福について語ろう」(幻冬舎)120ページより引用)

という記載がありました。

そういえばこの岸見さんのこの著書の中では2007年に亡くなった哲学者の池田晶子さんがその著書「ロゴスに訊け!」の中で幸福論について書くのをやめた話について言及がありました。

池田晶子さんの本は私の本棚でも数が多いことは以前にもお話していますし、当該「ロゴスに訊け!」ももちろん本棚にありますが、池田さんの別の著書「人生のほんとう」には

「ライフプランという不自由」

(池田晶子著「人生のほんとう」(株式会社トランスビュー)32ページより引用)

という項があり、その中で以下のように書かれている箇所があります。

「なぜなら、ライフプランなどという枠を持ってしまうのは、自分にとってあまりに不自由だとわかるからです。宇宙の一切合切の、何だかわけのわからない絶対不可解を見てしまえば、何で今さら生活設計なるものの枠によって、自分を不自由にすることができますか。そういう一種の自信というか、覚悟のようなものも出てきます。」

(池田晶子著「人生のほんとう」(株式会社トランスビュー)33ページより引用)

池田さんの表現はいかにも池田さんらしい表現だなと思ったりはしますがそれはさておき・・・。

人生というか生き方というかそういったことを考えていくにあたって「ライフプラン」というものは確かに現実的ではない側面があるかもしれません。

キャッシュフロー表を作ってもそんな先のことまで・・・、なんて考えることもなくはない・・・、という話しは一旦おきますが。

 

実際私も若いころにライフイベントを意識していたわけではないですが、漠然と考えていた人生設計とはまったく別の方向に向かっています。

例えば一番大きなことは「結婚」だったかもしれません。

漠然と結婚して子供がいて家を買って・・・、というものが「ライフイベント」なるものを意識するまでもごく普通にそうなっていくのであろうと思っていたわけです。

しかし現実はそうはなりませんでした。

私の場合はかなり違ってしまったかもしれませんが、このことひとつとっても「ライフイベント」そして「ライフプラン」どおりにはいかないでしょう。

そういう意味で先のことを考えるよりも毎日毎日目の前のことを懸命にがんばる、ということも確かに事実かと思います。

 

暮らしの不安をやわらげるために

ただもしその中で一つの方向性が見えることによって日々の暮らしの不安をやわらげることができるのであればライフプランを立てることや人生設計を行うことにも意味があるのではないかと私は考えています。

そしてライフプラン通りに生きてきたからよかったということでなく、そのライフプランが崩れる局面にどう対応するのか、ということがむしろ大切になります。

その意味で細かな見直しは毎年毎年必要でしょうし、大きい見直しは例えば5年ごとに行ってもいいでしょう。

 

下図は先日お話しした老後資金セミナーでも使った内閣府の調査をもとに私が加工した資料ですが、この調査によれば高齢者の方は「社会の仕組み(法律、社会保障・金融制度)が大きく変わってしまうこと」ということに21.6%の方が不安を感じているということがわかります。

出典:内閣府 平成26年度「高齢者の日常生活に関する意識調査結果」(概要版)「(4)将来への日常生活への不安」https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h26/sougou/gaiyo/pdf/kekka1.pdfをもとに加工して作成

 

先日来何かと話題になっている老後資金の問題も、高齢者の方に限らず現役世代の方々も不安を抱えているわけで、老後資金に関するセミナーでも若い方がいらっしゃるということは時折お聞きするところです。

ただ先ほどの岸見一郎さんの著書にはこんな記載があります。

「あなたの幸福は社会がどう変わっていくかによって決定されない」

(岸見一郎著「成功ではなく、幸福について語ろう」(幻冬舎)195ページより引用)

この言葉はとても重い言葉だと私は思っています。

正直いろいろと厳しい世の中になってきているなあと感じています。

世の中は非常に不透明な時代になりました。

「人生100年時代」と言ってもネガティブなイメージを持たれる方がいらっしゃるのはそのためでしょうし、年金に関してもいろいろな考えがあることでしょう。

ライフプランや人生設計は何もそのとおりに生きることがいいということではないと思います。

それを一つの方向性として考えつつ、でもそのとおりにいかなかったらまた修正していくという選択をしていけばいいはずです。

 

ライフプランニングには「リスクマネジメント」という側面もあります。

予測のつかない未来のことを考えるのは確かに難しいことです。

それでも方向性を持っておくことは重要で、これを考えておくことで将来起こるかもしれないリスクに備えるということを頭の中に置くことができると思います。

ライフプランという方向性を持ちつつ日々の暮らしや目の前にあるご自身のすべきことに集中することが大切なのではないでしょうか?

そう思えば「ライフプランを考える意味」というのもあるのではないかと考えています。

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