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「登記されていないことの証明書」って何?

前回まで3回にわたって後見制度についてお話ししました。

成年後見制度の基本的な考え方

「法定後見制度」とはどんな制度か?

「任意後見制度」とはどんな制度か?

 

さてこの後見に関連する書類として今日はもしかするとご存知ない方も多いのではないかという書類をご紹介します。

「登記されていないことの証明書」

という実に不思議な名前の書類です。

ちなみに東京法務局のホームページによれば法令上はこの書類も「登記事項証明書」なのだそうです。

 

何が「されていない」のか?

さてこの証明書のポイントは2点あります。

一つは「されていないこと」とは何なのか?

もう一つはなぜ「されていないことの証明」が必要なのか?

ということです。

まず「されていないこと」についてお話しします。

 

前回まで3回に分けてお話ししてきた後見制度ですが、法定後見のところでお話しした「後見」「保佐」「補助」の3つの類型でそれぞれ「被後見人」「被保佐人」「被補助人」となった場合及び任意後見契約を締結した場合には法務局の「後見登記等ファイル」と呼ばれるものに登記されることになります。

ですからある方が例えば「成年被後見人」になった場合には、この「後見登記等ファイル」に登記されることになっています。

ということは「成年被後見人」にもなっていない、「被保佐人」にもなっていない、「被補助人」にもなっていない、任意後見契約も結んでいないという場合には「後見登記等ファイル」に登記されていないわけです。

つまり登記「されていない」という意味はこれら「後見登記等ファイル」に載っていないという意味であり、この証明書はそのことを証明するものであるわけです。

 

「されていないことの証明」が必要なのはなぜか?

ではなぜされていないことの証明が必要なのでしょうか?

その理由が分かる記載が東京法務局のホームページにあります。

引用してみますね。

 「登記されていないことの証明書」とは,成年後見制度の利用者を登記(登録)している後見登記等ファイルに登記(登録)されていないことを証明するもので,各種許認可等の申請の際に欠格事由の一つ(成年被後見人・被保佐人等)に該当していないことを証明するため等に使用されています。

(法務局ホームページ「登記されていないことの証明書の説明及び請求方法」http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/i_no_02.html)より引用)

例えば建設業の許可申請を受ける場合でその会社が法人ですとその法人の役員の方や支配人の方などは先程あげた後見の類型などのうち「成年被後見人」「被保佐人」に該当していると欠格要件となり許可がおりなくなります。

したがって役員さんなどが「成年被後見人」「被保佐人」に該当していないことの証明としてこの「登記されていないことの証明書」を都庁などの申請先に提出することになります。

 

ちなみに行政書士も「成年被後見人」「被保佐人」に該当していると登録ができません。

したがって登録申請の際にはこの「登記されていないことの証明書」を私も取得して、東京都行政書士会に赴いたわけです。

行政書士のみならず士業者の方の登録にはこの「登記されていないことの証明書」が必要になることが通常でしょうし、許認可でも私のほうで取り扱っている業務の中では建設業や宅建業、古物商といったものの許可申請には必要になってきます。

ちなみに下記に法務局のHPのうち東京法務局のページ内にあげられている「登記されていないことの証明書」の見本をあげておきます。

出典:法務局ホームページ http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/shoumei_mihon.html

 

申請先は法務局

さてこの「登記されていないことの証明書」どこに申請するのかといえば申請先は法務局になります。

といってもどこの法務局でもいいわけではありません。

東京法務局の後見登録課か全国の法務局又は地方法務局の本局、わかりやすく言えば各都府県(北海道は4箇所あります)の本局と言われる法務局の窓口で申請することになります。

また郵送で申請することもできますが、この場合は東京法務局後見登録課のみでの対応になっていますのでご注意ください。

ちなみに1通に300円、収入印紙で納付することになります。

ということでこういう書類があるというご紹介をさせていただきました。

なお誤解のないように申し上げておくとこの書類はいってみれば必要な本人のための書類であって、例えば取引の相手方を確認するための書類ではないということには注意が必要です。

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