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「任意後見制度」とはどんな制度か?

このところ後見制度についてお話してきました。

あくまで基本的なお話ですので、主に制度をよくご存知でない方が参考にしていただければと思います。

さて今日は当事務所でもご相談を承っている任意後見制度についてお話します。

基本的なメリットもデメリットもお話しますし、私自身お客様とお話する際には今日お話する中でのデメリットをよりきちんとご説明しています。

その上でいろいろなお話にしたいと思っているのはお互いの信頼関係が大切な制度だからだと私自身思っているからです。

ぜひ参考にしていただきみなさんも信頼できるご相談先を検討されてください。

 

任意後見制度とは?

「任意後見」とは簡単に言えば、本人が判断能力の低下する前にあらかじめ自分の決めた信頼できる人との間で契約を結び、本人の判断能力が低下した際にはその信頼できる人に後見人を依頼する、というものです。

したがって法定後見制度と違い自分でお願いする人をあらかじめ決めておくことが出来るという点がメリットといえます。

公正証書で契約をすることが要件になっており、また公証人の方はこの任意後見契約について法務局に登記をすることになります。

契約ですので代理権の内容についても定めますが、この内容に関するいわゆる「代理権目録」については定められたものからチェックして選ぶ様式と自由に決める様式とがありどちらかを利用することになります。

ただ基本的には契約で定めるわけですのである程度代理してほしいことの自由度があるといえます。

 

この任意後見制度にもいくつか形があるのですが、よく利用されているケースとして知られているのが「移行型任意後見契約」といわれるものです。

これは例えば現在高齢で外出などには不自由を生じるものの判断能力はしっかりしているような場合、まず財産管理などの委任契約を信頼できる人物に委任する契約を結び、その後本人の判断能力が低下していた際にはその人物を後見人とする任意後見契約を同時に締結するといった内容のものです。

契約する際には「委任契約及び任意後見契約公正証書」というような形で一つのまとめた公正証書にするような形にすることになります。

これが「移行型」と呼ばれるものです。

 

もちろん「委任契約」を結ばず「任意後見契約」のみ締結することも可能で、これは「将来型任意後見契約」といわれます。

また「即効型任意後見契約」という形もあります。

これは法定後見を利用するまでは至らないもののすでに判断能力が低下しはじめている方が対象と考えられ、まさにすぐにスタートできるタイプの形式です。

ただ任意後見が利用できるような状態なのか、すでに法定後見が必要な状態なのか見極めることは実際には難しいであろうことが考えられます。

 

さて任意後見制度においては注意することがあります。

この制度では任意後見人に「同意権」と「取消権」という二つの権利がありません。

特に「取消権」については、法定後見人の場合「取消権」が付与されていますので、いわゆる「悪徳商法」などに対して取消権を行使することもできます。

これに対して任意後見人には「取消権」がありませんから、任意後見人の知らないところで本人が大きな商品の購入契約などをしてしまうと任意後見人が取り消すことはできないわけです。

 

またこの任意後見は実際にスタートするときには「任意後見監督人」の選任を家庭裁判所に申立する必要があります。

簡単に言うと任意後見人を監督する人が決まらないと任意後見ははじまらないわけです。

あくまで可能性ですが先程の移行型の契約の場合、財産管理の委任を本人から受けている人が本人の判断能力が低下しているにもかかわらず、監督人選任申し立てをしないようなこともあるかもしれません。

とすると本人の意向通りにならずトラブル等になってしまうことが考えられます。

すでに当ブログでもお話していますが、信頼できる人を候補者にしなければ本人の判断能力が低下しても任意後見の申立てがなされない結果、候補者が財産を自分のものにしてしまうような事態も考えられます。

実際、東京都福祉保健局がこの事例の注意喚起をホームページで行っているほどです。

(リンク先:東京都福祉保健局ホームページ「任意後見制度に関係する悪質な犯罪行為にご注意ください」)

これらのことから考えても任意後見人を引き受けてくれる方は可能な限り本人の生活圏に近く本人を支えてくれ、当然ですが契約をきちんと守る意識をもった信頼できる人を選ぶ、ということが極めて大切なことになってきます。

 

任意後見でもランニングコストはかかる

任意後見制度の場合、報酬はまず公正証書とする必要がある点から公正証書の作成費用がかかります。

文案作成などを士業者等に依頼する場合その費用も発生します。

 

また後見人を第三者に依頼する場合には後見の報酬が発生することになるでしょう。

この場合、報酬額は契約ですから当事者間の話し合いで決めることにはなります。

なお士業者等に依頼する場合の報酬額は、代理権の内容や財産額などによっても違うと思いますので問い合わせ等するようにしてください。

親族を任意後見人にする契約もできますから、このときは無報酬で頼むことも可能でしょう。

 

さらに前回もお話ししたように任意後見制度は後見監督人を選任してスタートすることになりますがこの任意後見監督人についても報酬を支払うことになります。

というのも仮に任意後見が親族だとしてもその監督をする人は第三者おそらく士業者等になるからです。

この任意後見監督人の報酬は以前にお話しした「成年後見人等の報酬額のめやす」によれば成年後見監督人と同様とされています。

(成年後見のケースでも後見監督人が選任されることがあります。)

そしてその報酬額の目安は以下の通りです。

 ・管理財産額が5000万円以下

  基本報酬額 月額1万円~2万円,

 ・管理財産額が5000万円を超える場合

  基本報酬額 月額2万5000円~3万円

となっています。

つまり任意後見人に報酬を支払うケースの場合は、後見人報酬と監督人に対する報酬がランニングコストとしてかかってくることになるわけです。

 

任意後見制度にもいろいろなメリットやデメリットがあります。

またお願いする後見人候補者をしっかり見極める目も必要になってきます。

しかしそのことに前向きに向き合っていただくことでより良いセカンドライフを迎えることが出来るのではないかと私は考えています。

当事務所では任意後見についてのご相談もお伺いしております。

私が任意後見をお引き受けケースだけでなく、ご親族関係も含めたより良いアドバイスなどもさせていただきます。

とりあえずまずは検討したいという方はこちらの任意後見業務等に関するご案内ページをご確認いただき、ぜひ一度お問い合わせいただければ幸いです。

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