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「自分自身」の「老後資金」について考えてみませんか?

すでにご案内をさせていただいていましたが、先日2019年6月9日(日)中野区立中央図書館さんで老後資金に関するセミナーの講師を担当させていただきました。

事前に定員に達していたとのことで、例の「老後資金2000万円不足」に関する報道の影響もあったのかもしれませんが、みなさんメモを取りながら熱心にお聞きいただいた様子でした。

興が乗ってしまったせいか私のほうが早口になってしまうところもあり、聞き取りにくい部分もあったかと思いますが、ご来場いただいたみなさまやお話しの機会をいただいた中野区立中央図書館さんにあたらめてこの場からも感謝させていただきます。

 

「家計調査年報(2018年)」の高齢夫婦無職世帯の収支を見てみる

それにしてもこの「老後資金2000万円不足」問題。

一部報道では夏の参院選の争点になるのでは?というような話も出てきているとか・・・。

すでに前回の投稿でもお話しさせていただいたように、「老後資金」は人生の三大資金の一つです。

これは私がFP試験の勉強をしている頃から学んできたことですし、ご相談を受けている中でも

「老後資金はいくらぐらいあればいいのか?」

というご質問はよく頂戴するところです。

しかし実際のところこれだけいろいろこの問題が話題になっているということは、この「老後資金」に関する情報発信についてまだまだ足りない点がたくさんあったんだと我ながら反省しているところです。

 

以前夫婦二人の毎月の老後資金はいくらかかるのか、二つの出典から考えるという投稿でお話しているのですが、老後資金については考え方によって変わってきます。

誰しもが共通して2000万円、というわけではないはずです。

収入と支出のバランスによって変わってくるわけです。

 

例の金融庁の報告書に書かれている高齢夫婦無職世帯の「毎月の赤字額」とされている部分、これは総務省の家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年)に記載のあるものです。

実収入が209,198円に対し支出が消費支出と非消費支出をあわせて263,717円、したがって収入と支出の差し引きが54,519円となり、これが毎月の不足分ということになります。

ちなみに実収入のうち91.7%191,880円が社会保障給付となっておりいわば年金ということになります。

この不足額が30年続くとすれば計算上約2000万円になるわけで、これは先ほどのリンク先投稿の中でもお話しています。

 

で、この6月この家計調査年報(家計収支編)の平成30年(2018年)が公表されました。

下図はこの家計調査年報の家計収支について書かれた部分です。(出典:「家計調査報告(家計収支編)2018年(平成30年)II 総世帯及び単身世帯の家計収支」(総務省統計局) (https://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/gaikyo/pdf/gk02.pdf) (2019年6月11日に利用)

 

ご覧いただければお分かりかと思いますが、高齢夫婦無職世帯の収支は実収入が222,834円に対し支出が消費支出と非消費支出をあわせて264,707円となり不足額は41,873円となっています。

昨年の同資料と比べて社会保障給付が203,824円と増えているためこの不足額になっています。

昨年の家計調査年報では月の不足額が54,519円ですから年によって不足額が違っているわけでして、実際2014年や2015年の同調査では不足額が6万円を超えていたのに対し、2009年~2011年にかけては4万円台前半の不足額となっています。

ですからこの毎月不足額はこの調査をもとにすれば4~6万円前後という数字になってくることになります。

 

ただもう少しこの「不足額」を丁寧に見ていく必要があるはずです。

下図は同じ家計調査年報の家計収支に関する表です。

ちなみにこちらには高齢単身無職世帯の収支も載っています。

(出典:「家計調査報告(家計収支編)2018年(平成30年)II 総世帯及び単身世帯の家計収支」(総務省統計局) (https://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/gaikyo/pdf/gk02.pdf) (2019年6月11日に利用)

 

この中でまず収入。

先程お話しした「社会保障給付」は203,824円となっています。

この額は当然にみなさん同じではないわけです。

これからリタイアメントプランを立てようというみなさんは自分の年金額の見積もりがたっているでしょうか?

(年金制度そのものに対する不信等はここでは考えないこととさせてください。)

年金見込額については以前にセカンドライフの第一歩として「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で年金見込額を確認してみましょうという投稿でお話しさせていただきました。

50歳以上の方については支給開始年齢からの年金の見込額が「ねんきん定期便」には示されています。

また「ねんきんネット」を使えば50歳未満の方でも今のままの働き方で続いた場合における支給開始年齢からの見込額がわかります。

ただし「ねんきん定期便」などにはいわゆる「加給年金」額の記載がないといったようなこともありあくまで目安ということになります。

したがってよりしっかりした見積もり額を確認したい方は一度年金事務所の窓口に行っていただくことをおすすめします。

 

もう一つ支出はどうでしょうか。

先程の家計調査年報の消費支出と非消費支出をあわせた263,717円のうち消費支出は235,615円。

このうち例えば食費は65,319円、水道光熱費が19,905円といった具合です。

一方で住居費は13,625円しかありません。

これは統計の中で高齢無職世帯の方持家率が93.3%となっており、またこの住居費の中には住宅ローンの返済額などが含まれていないことが大きな理由と考えられます。

主に賃料や地代になるのですが、全国を対象にしている調査のため例えば都内の賃貸にお住いの方はこれでは不足になるでしょうし、マンションの方は管理費や修繕積立金も加わります。

ですから住居費はもう少し高くなる可能性を考えておく必要があると思います。

また教養娯楽費や諸雑費、交際費といった項目もあります。

諸雑費と交際費に仕送り金をあわせたその他の消費支出は53,717円となっています。

この収支の割合、バランスをご覧になってみなさんどのように感じられたでしょうか?

 

自分自身のセカンドライフのイメージづくりを

どの世帯の方も年金収入は月当たり20万円ではないと思いますし、支出も26万円というわけではないと思います。

リタイアメントプランそしてセカンドライフに向けて大事なことはまず自身の老後の収支の目安を考えることです。

どのくらいの年金収入がありそうなのか?また支出はどのくらいの金額になりそうなのか?

まずこのイメージを作るところから始めることが重要です。

その上で約30~35年とされる期間の不足額を退職金や事前の積み立てなどの準備で対応できるのかどうか検討してみてください。

また臨時の出費や終活に向けての費用なども加える必要があるでしょう。

日常生活費や毎年の出費、臨時支出の合計が今後の働き方や貯蓄によってカバーできる金額になるのかキャッシュフロー表などで検討することが大切になります。

(キャッシュフロー表については以前にこちらの投稿でお話ししています。)

それによって働く期間を長くすることや家計の無駄なコストがまだあれば削減するといった予定を立てることで老後資金の考え方につながります。

確かにいろいろな問題や制度への不信などもおありかと思います。

もしかしたらいろいろと変わっていく部分もあるのではと考えます。

だからこそぜひ一度こういったセカンドライフに向けての資金計画を考えることを大事にしていただきたいのです。

みなさんも自分自身のセカンドライフを検討してみていただくよう心からお願いします。

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