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共働き夫婦で妻が亡くなった場合の「必要保障額」が不足していることがある

今日も最近の相談事例からよくお目にかかる事例に関連したお話をします。

共働きご夫婦の場合でも、夫が亡くなった場合には手厚い保障で備えているものの妻が亡くなった場合にはそこまでではない、というようなご家庭は多いのではないでしょうか?

ところが家計診断をして見るとご主人様が亡くなられた場合に比べ奥様が亡くなられた場合における「必要保障額」が不足しているということがあります。

特にご夫婦の年収額がそう変わりなく住宅ローンもペアローンなどでご夫婦それぞれに借入れているようなご家庭ではこのケースが見受けられます。

このケースが発生する理由の一つとして「夫婦での遺族年金受給額の違い」という点が考えられます。

今日はこの点について、特にご夫婦二人ともに会社員というケースでお話ししていくことにします。

 

「必要保障額」の考え方を確認

本題の前に冒頭で触れた「必要保障額」についてまず確認してみましょう。

「必要保障額」というのは、夫または妻が亡くなった場合に残された遺族が生活していくために必要な金額について次の考え方によって導かれる金額です。

 支出見込額-収入見込額=必要保障額

「支出見込額」は今後の生活費など、「収入見込額」は死亡退職金や弔慰金、配偶者のその後の収入見込などが挙げられます。

なお必要保障額について当ブログ内では以下の投稿ですでにお話ししています。

 生命保険に加入する理由と「必要保障額」

 「必要保障額」といろいろな「収入見込額」

 「必要保障額」における「支出見込額」

あわせてご覧いただければ幸いです。

 

遺族厚生年金の受給対象者

さて「必要保障額」の考え方のうち「収入見込額」の柱となるのが今日の本題である「遺族年金」です。

「遺族年金」についてはご相談を受けていく中でその存在をご存知ない方が意外に多く感じます。

詳細は以前に下記の投稿でお話ししていますので、こちらはぜひお読みください。

 「必要保障額」を考えるうえで重要な遺族年金

この遺族年金ですが、実は夫が亡くなった場合と妻が亡くなった場合とで違いがあり、これが今日の本題になります。

というのも遺族年金のうち特に「遺族厚生年金」の受給対象者が夫になる場合と妻になる場合とで、夫にとっては厳しい要件になっているからなんです。

日本年金機構のHPから引用して対象者を確認してみましょう。

死亡した者によって生計を維持されていた、

  • 子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
  • 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)

※30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付となります。

※子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限ります)は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

(日本年金機構HP内「遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)」のうち「対象者」についての部分を引用)

 

夫と妻とどちらかが亡くなるかで遺族年金に違いが出る

ポイントとなるのは夫が対象者となる場合については「55歳以上の」という条件がついている点とその部分のかっこ書きです。

ちょっと面倒な書き方になっているので整理してみましょう。

  • 妻が亡くなった際に夫が55歳未満の場合は遺族厚生年金が原則もらえない
  • 例外として夫が「遺族基礎年金を受給中の場合」は遺族厚生年金を受給できる
  • ただし遺族基礎年金は子どもが18歳到達年度の年度末をもって終了になる
  • これ以降夫は遺族年金をもらえない
  • また子のいない55歳未満の夫は妻が亡くなっても遺族年金は受給できない

ということになります。

夫が残された場合に「必要保障額」が不足するような事態が起きてしまうのは、先程も触れたように夫が残された場合が妻が残された場合に比較して遺族年金の受給要件が厳しくなっているからだということがお分かりいただけると思います。

逆に先程引用した年金機構のHPを見ていただければお分かりのように、夫が亡くなり妻が受給者となる場合にはこのような条件がついていません。

つまり会社員の夫が亡くなった場合、妻は55歳という縛りはなく遺族厚生年金を受給できることになります。

 

また前半の「遺族年金」に関する当ブログ内のリンク先でも触れていますが、夫が亡くなって妻が残された場合、妻には「中高齢寡婦加算」と呼ばれる制度の適用が可能になります。

これは妻が40歳以上65歳までの間に加算されるもので平成30年度は定額で584,500円が加算されます。

ただし遺族基礎年金を支給されている間は加算されません。

遺族基礎年金は子どもが18歳到達年度の年度末をもって終了になりますからこれと交代で受給できるようなイメージとなります。

「寡婦」加算という名前のとおり夫が残された場合にこの制度は適用されないわけで、この点も妻が亡くなられた場合と比較して金額が少なくなる理由の一つとなります。

 

お話ししてきた事例において妻が亡くなった場合に「必要保障額」がいくらぐらいになるのかその手当ができているのか、これらは各ご家庭によって違ってくるものです。

ご家庭ごとの収支は当然違ってくるでしょう。

一方で「必要保障額」よりも多い保険に加入して保険料が過剰になっているケースも考えられます。

したがって実際には家計診断をさせていただくことでしっかりした手当ができているのかに否か浮き彫りになるでしょう。

ご夫婦どちらかが万一の事態により不幸にもお亡くなりになるようなケースは考えたくないことでしょう。

しかし大丈夫なようにしっかり備えておくことはとても大切なことです。

ご心配な方はぜひ当事務所の家計診断をお受けください。

詳細はこちらのページをご確認いただきお問い合わせいただければ幸いです。

 

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