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共働きにおける「扶養」とパート収入の関係について

今日も前回同様に最近の相談事例から時折出てくるお話です。

ご夫婦共働きといってもご家庭ごとにその収入形態は違うと思います。

夫が正社員で妻がパートという事例は現在でもよくある形ですがこの場合によくあるお話として妻は扶養に入るべきかどうか、というものがあります。

そこで今回は妻の年収によって世帯の収入がどう違うのか一つの例を用いて試算をしてみることにします。

 

夫の年収を500万円とした場合の事例

事例としては夫の税込年収を勤務先の給与収入のみで500万円とします。

ここから社会保険料や税金などを引いていわゆる可処分所得を出してみることにします。

社会保険料ですが、本来であれば標準報酬月額から健康保険料を算出したり、40歳から介護保険料の負担があったり、年金の保険料などきちんと計算する必要もあるかと思います。

ただ今回は世帯の年収が妻の年収によってどう違うのかを検討するための試算であるため、社会保険料については、可処分所得算出の際などに利用される割合である年収の15%とします。

したがって夫の社会保険料は75万円で試算しています。

実際にはもう少し少ないかもしれません。

また所得税等の計算において、社会保険料以外の所得控除については基礎控除と配偶者控除・配偶者特別控除以外は考慮しないものとします。

(追記:本年2018年制度改正により「配偶者特別控除」に変更がありましたが、以下のお話しではこの変更を考慮したものとしています。)

試算した妻の年収は妻に住民税が発生しても所得税が発生しない103万円、社会保険料の壁として厚生年金保険料や健康保険料を支払うことになる130万円とその壁の手前でいわゆる「夫の扶養に入る」ことになる129万円、そして年収のうち配偶者特別控除が減額になる151万円の4つです。

 

「配偶者特別控除」について知っておきましょう

さて本題に入る前に「配偶者特別控除」について少しお話します。

まず国税庁のホームページ記載されている配偶者特別控除の概要を確認します。

 「配偶者に38万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。これを配偶者特別控除といいます。」

 (国税庁ホームページタックスアンサーNo.1195 配偶者特別控除「配偶者特別控除の概要」より一部引用)

もう一つ配偶者特別控除を受けるための要件をこれも先ほどの国税庁のホームページから引用します。

(1) 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。

(2) 配偶者が、次の五つの要件すべてに当てはまること。

イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。

ロ 控除を受ける人と生計を一にしていること。

ハ その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

ニ 他の人の扶養親族となっていないこと。

ホ 年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であること。

(国税庁ホームページタックスアンサーNo.1195 配偶者特別控除「配偶者特別控除を受けるための要件」より引用)

 

今回の事例、納税者である夫の年収が500万円である場合で妻側の所得が38万円超85万円以下の場合は38万円の控除ができるようになりました。

この妻側の所得が年収ベースではおおむね103万円超150万円以下となってきます。

ちなみに納税者である夫の所得が配偶者控除同様900万円を超え950万円以下の場合と950万円を超え1000万円以下の場合を妻側の所得に応じて控除額が小さくなります。

そして納税者の所得が1000万円を超えると控除額がなくなります。

 

試算結果を確認する

さて試算した結果が下記の図表となります。

(図表が見にくい方は拡大してご覧ください。)

なお夫については社会保険料や試算した所得税や住民税を差し引いた手取り収入をすでに記載しています。

 

図表を見ていただけるとお分かりかと思いますが、151万円まで妻が働いても社会保険料の発生しないぎりぎりの年収額である129万円のほうが世帯全体の手取額が多くなっています。

つまり社会保険料の負担額が収入に対して大きな影響を及ぼすことがわかっていただけるかと思います。

ただしこの試算において1万円までは変わらないため151万円よりももう少し多い収入を得る働き方ができると年収129万円での世帯手取収入を超えることになります。

このケースでの妻の年収129万円での世帯手取収入を超えるラインが妻の年収160万円といわれることもあるようですが、今回の試算ではそこまでいかなくても超えることが可能なようです。152万円でほぼ同じ、153万円までいくと超えることになりました。

 

もちろんこれは一つの試算結果であり夫の年収などによっては世帯の手取年収にも変化が出てくるでしょう。

また扶養を選択して現在の手取収入を増やすことも一つですが、厚生年金に加入して働けば妻の将来の年金も増えてきますし、年収そのものが増えて可処分所得が増えれば家計的に余裕が出てくる利点もあります。

大切なことは家族全体でどのような働き方をすることがいいのかしっかり話し合って将来のライフプランを考えることです。

ご家族の現在の働き方のみならず年金受給なども含め将来的な収支を考えて検討するようにしてください。

また今日お話ししたような内容について「我が家の場合はどうだろう」と思う方はぜひ当事務所にご相談ください。

詳細はこちらのページをご確認の上お問い合わせください。

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