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9.52016
生命保険に加入する理由と「必要保障額」

先日知り合いの方と雑談中に「保険金っていくらぐらいあればいいのかな?」というお話がでてきました。
FPとしては「保険の見直し」というのは重要なテーマですね。
実際よく言われるところですが、各ご家庭の保険の加入状況を見ていると「多すぎないかなあ・・・」という事例はけっこうおおいところです。
FPの友人からも似たような話や疾病や傷害時に自分の加入している保険が利用できるのか、つまり保険金がおりるのかどうか理解されていない方が多いというお話も聞いています。
「保険の見直し」という言葉は以前に比べてずいぶんと知られるようになったと思いますが、それでもどうやら自分が考えている以上に実際に保険のことがよくわかっていない方が多いようです。
そこで今日からしばらく保険のことについてお話していきます。
もちろんこのブログですので「今更聞けないかも・・・」てきなお話をなるべくわかりやすく丁寧にお話していきますね。
一回目の今日は今更聞けないだろうなあ・・・生命保険のお話です。
なぜ生命保険に加入するのか?
さてみなさんはそもそもなぜ生命保険に加入するのでしょうか?
「えっ、そこから?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも考えてみてください。
生命保険に加入するときどういう理由でいくらぐらいの保険金があればいいかきちんと考えて入った方ってどのくらいいらっしゃるでしょうか?
多分社会人になったさいにお世話になっている保険会社の方に誘われて加入したとか、会社の保険や共済に加入したとかそういった理由だったのではないですかね。
しかも20代前半の若いころですから、よくわけもわからず大人としては加入しておかないとみたいな感じではなかったでしょうか?
かくいう私もそうでしたからね。
20年以上前の懐かしい記憶でございますよ、はい。
さて話を本筋にもどしましょう。
生命保険に入る本来の意味は
「遺族保障」
とよばれる機能に代表されます。
この「遺族保障」という言葉は文字通り遺族の生活を保障するという意味です。
共働きご夫婦でも、どちらかがお仕事でどちらかが家庭のことをする夫婦でも、遺族保障は大切なところです。
特に例えばご主人が働いていて奥様が専業主婦というご家庭である場合、もしご主人に万一のことがあればそこから先家族はどのように暮らしていくのか?という大きな不安がでてきます。
この不安を少しでも解消し、残された家族の金銭的な負担が減るように利用し加入するのが本来の生命保険の役割です。
ですから残された家族の生活に足りうる生命保険に加入していれば十分なのですが、逆にたくさん加入しすぎていると保険料が無駄になってしまいます。
そこで「適切な保障額というのはいくらなのか?」という冒頭の知人の疑問が登場してくるわけです。
もちろん家庭ごとに生活費も違いますし各ご家庭それぞれの事情もありますから、画一的にこの金額というものはありません。
が、参考になる考え方はあるわけです。
それが「必要保障額」という考え方です。
必要保障額の考え方
そもそも「必要保障額」は先ほどもお話しましたが、少々乱暴な言い方をすれば残された遺族が生活していくために必要な額を準備できればいいわけです。
ではその必要保障額とはどういう風に考えればいいのでしょうか?
一般的に言われる考え方は以下のような計算式になります。
支出見込額-収入見込額=必要保障額
「支出見込額」というものは遺族のその後の生活費や子供さんがいれば教育費、住まいに係る住居費といったものを想定しています。
「収入見込額」というものの存在は意外に思う方もいらっしゃるかもしれません。
これは例えば遺族年金のもらえるケースがありますし、亡くなった方の勤務先から死亡時の退職金や弔慰金をもらえるケースもあります。
またもし配偶者の方がお仕事をしていればその収入も考慮します。
ということでお話しした「支出可能額」から「収入見込額」を差し引いたものが遺族の生活に不足する部分になります。
この不足する部分の金額が必要保証額です。
そしてこの必要保障額をカバーするものが生命保険の保険金という形になるのが、本来の生命保険のあり方になるのです。
一般的に「保険の見直し」という場合にもっとも多いケースは、この必要保障額を十分にカバーできているにもかかわらず、保険に入りすぎているという側面が大きいため見直して保険料負担等を減らして家計を改善するというケースです。
もちろん医療保険やがん保険、様々な特約などに加入している方であれば併せて見直すことになります。
「保険の見直し」という言葉があるくらいで、日本人は一般的に保険好きで保険によく加入しているため、逆に入りすぎていることが多いといわれます。
不安に備えることは大切ではありますが、適正な保険の加入状態にしておかなければかえって家計を圧迫したりします。
どのくらいの金額を保険でカバーすべきかよく検討してみることはとても重要ですね。
さて今日は総論的なお話しをしました。
次回は今日の続きでもう少し必要保障額にかかわる細かいお話しをしたいと思います。