ブログ

身元保証や日常生活支援、死後事務など 高齢者向けのサービスについて考える

ホームページのブログは久々の更新で恐縮ですが、引き続き折々お話ししてまいります。

またマイベストプロのコラムのほうは変わらず2日に1回ペースで更新しております。

ホームページのブログと同じ話の時もありますが、よろしければこちらからあわせてお読みいただけると幸いです。

さて先日2018年4月28日付でNHK NEWS WEBに

「身元保証サービス 高額な費用が必要な場合も」

という記事があがりました。

この記事は当日のNHKニュース7でも報道されていました。

日本総合研究所の調査をもとに報道されたもので、もともとは

「地域包括ケアシステムの構築に向けた公的介護保険外サービスの質の向上を図るための支援のあり方に関する調査研究事業」

という名称で発表されたものです。

調査資料を拝読するといわゆる「身元保証サービス」といわれるものについての課題が見えてきて一士業者としても大変に考えさせられる内容でした。

今日はこのいわゆる「身元保証サービス」についてお話しします。

 

高齢者の「身元保障サービス」とは何か?

お話しの本題に入る前に、以前にこのブログ内の独身者の老後と人とのかかわりを考えるというお話しの中で、身元保証サービスを行っていた公益財団法人が2016年(平成28年)の4月に破たんしたお話しをしました。

この破たんによって当該公益財団法人に預託金として金銭を預けていた消費者の方に被害が及んだという事案です。

これを受けてか内閣府の消費者委員会というところが翌2017年(平成29年)1月に

「身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての調査報告」

という資料を発表していて冒頭の日本総研の調査研究にもこの資料のことが触れられています。

 

この消費者委員会の調査報告において定義されている「身元保証等高齢者サポートサービス」の定義がそのまま日本総研の調査研究にも使われているためまずこの定義から確認します。

その定義とは

「主に一人暮らしで身寄りのない高齢者を対象として、身元保証や日常生活支援、死後事務等に関するサービス」

(内閣府消費者委員会「身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての調査報告」より引用)

となっています。

 

まず「身元保証」に関するサービスというものは主に入院時や福祉施設への入所、賃貸住宅の入居にともない要求される身元保証を引き受けるものです。

身寄りのない高齢者の方にはこういった保証人について心当たりがないというケースがあることから提供されているサービスです。

 

次の日常生活支援に関するサービスは正直なところかなり広い範囲の内容となっています。

役所や金融機関等の手続きの代行から金銭管理や安否確認、買い物の支援など多岐にわたります。

高齢者の方には足が不自由になったり体調を崩されたりしてこういった日常生活についての判断能力は有するものの実際にご自分でこれらを行うことが難しいと思う方がいらっしゃいます。

こういう方々の日常生活の支援を行うサービスです。

ただ実際にどのあたりまで日常生活の支援を行っているのかについては事業者側と利用を希望する側とでは必ずしもマッチしていない部分もあるようです。

 

最後に死後事務サービスと言われるものです。

これは当事務所でもご相談をお受けしていますが、ご依頼者の方が亡くなられた後の遺体確認や葬儀納骨などの手配、費用精算などのサービスがこれらにあたります。

ご自身が亡くなった後のことを誰に頼むのか決めておかないと例えばせっかく自身が納骨されるお墓が決まっていてもそこに入れないという事態は時折報道などで耳にされることもあるのではないでしょうか。

 

お互いの信頼があってこそ

先程の日本総研の調査報告のおける調査対象となったこれらのサービスの提供事業者は91件だそうです。

このうち約45%が利用者数99名未満でこの調査報告では「小規模事業者」とされています。

またこれら小規模事業者と別にわれわれ行政書士や司法書士の方などの「法律手続き士業等」(日本総研の調査報告による)が個人やネットワークでこういったサービスを提供している旨のことも書かれています。

 

実際先程も申し上げたようにこういったサービスのご相談を当事務所でも受け付けています。

例えば当事務所の場合ですが、「委任契約及び任意後見契約」といういわゆる「移行型」と呼ばれる任意後見契約を使って判断能力のある時は委任契約で日常生活等の支援を行い、判断能力が低下した際には任意後見に移行するというような契約をご案内しています。

また死後事務に関してもいわゆる「死後事務委任契約」を締結することでご相談者の方に万一のことがあった際に先程お話ししたような死後の事務を担当する内容の契約をご紹介しています。

詳細はこちらのページをご覧いただければ幸いです。

もちろんご相談のみならず私自身も受任者になるケースを想定したご相談もお受けしています。

とはいえ私は個人事業主ですから例えば私が任意後見受任者や事後事務の受任者になるということについてはすぐに決めるのではなく、慎重に検討するようにしていますし、お客様にもまたよく考えていただくようにお話しをしています。

 

その理由として考えられることが例えば私が亡くなったり事業ができなくなったりするような体調になる等私自身が受任をすることが難しくなるという事態です。

自分の母よりも目上のご相談者の方もいらっしゃいますが、こればかりは明日は何が起こるかわからないわけで、せっかく契約を締結してももし自分が受任できないとするとご迷惑がかかることになります。

またそのような事態に陥った場合、受任者が私一人の場合は任意後見契約を再度締結する必要も出てきます。

 

また死後事務においては事前に受任者が預託金を預かっておくなどしないと必要な経費が相続財産の中に入ってしまい相続人等から必要な金額の受領ができないことが考えられます。

しかし死後事務の受任者が例えば個人単独であった場合、今度は逆に預託金を分別管理していないと受任者が依頼者よりも前に亡くなってしまった場合、受任者の相続財産に入ってしまい委任者に返金されない可能性が理屈の上では考えられます。

 

もちろんこういった事態が発生しても大丈夫なように任意後見受任者を複数にすることや預託金を分別管理するような方法を検討するなどこちらで最善の対応を考える必要はあります。

しかし現実に法人化してこれら身元保証サービスを提供しているところが主体であればいいのですが、このサービスは先程も触れたように小さなネットワークの中で提供されている事案が多いものです。

そんな中でどこまで完璧に近い対応ができるかは難しい側面もあると思います。

また私からしても相手の方のことをよくわからずにお引き受けすることはいささか抵抗を感じることも確かです。

 

ただ身元保証や日常生活支援、死後事務と言った極めて地域での貢献といった色あいの強いサービスである以上、地元で活動している専門家として地域の方にご相談いただけることが大変にうれしいと素直に思うこともまた事実です。

そしてその対価をおさえて高額にならず、しかしこれが事業としても成り立つようなサービスとしての費用を頂戴するというとてもバランスの難しいお仕事であるということも考えています。

身元保証や日常生活支援、死後事務と言った業務は今後増えていくことが予想される業務です。

一方で安易に取り扱っていくのでなくご相談者の方と何度もお話しをしてお互いに信頼関係を築いた上で、より良い内容の形になるよう私も今後とも日々研鑽し勉強していきます。

 

関連記事

ページ上部へ戻る