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「改葬」「墓じまい」と「離檀料」や新しい供養サービス

このところ「墓じまい」に関する話題が二つありました。

今日はその二つに関連して「改葬」と「墓じまい」のことについてお話しします。

 

いわゆる「離檀料」をどう考え対処するか

まず一つ目は2018年4月3日付日本経済新聞夕刊の

「高い「離檀料」檀家が困惑 墓じまい・改葬時1000万円要求も法的義務なし、トラブル増」

という見出しの記事です。

 

この「離檀料」を巡るトラブルはここ数年、特に目に付くことが増えています。

記事中でも国民生活センターがお寺側と話し合うように呼び掛けている旨が書かれています。

実際国民生活センターのホームページでは2017年7月26日公表されている情報として

「「墓を引っ越しする」と言ったら、寺から高額な費用を要求された」

というタイトルでこういったケースに対する対応を紹介しています。

 

そもそも「墓じまい」とはどういうことなのでしょうか?

これについてはすでにこのブログの

親子といわゆる「墓じまい」

「祭祀に関する権利の承継」とは?

などの投稿にてお話ししておりますので併せてお読みいただければと思いますが、正確には「改葬」という手続きになります。

この「改葬」、多少違いはあるかもしれませんが基本的な手順は下記のスライドのようになります。

 

そして先程の「離檀料」についてポイントになってくるのはこのスライドの③の部分です。

先程の日経新聞の記事にも記載されていますが、この改葬においては現在ご遺骨をおさめている寺院の署名押印などが必要になってきます。

実務的には改葬許可申請書書式の下のほうに現在の墓地管理者の住所名称押印をする欄があるのでそこに署名押印等をお願いすることになるわけです。

ここに署名押印がなければ改葬の手続きができないことになります。

ちなみに下にアップしたものが練馬区の改葬許可申請書のひな型になります。

 

なおこれは参考ですが、現在の墓を閉じるだけで引き上げたご遺骨を新たなお墓には入れず、自宅安置や散骨などを行うケースにおいてはこの手続きの対象としない見解の自治体もあるようです。

したがってこれらのことをお考えの場合、現在ご遺骨を安置している霊園等のある自治体に確認をする必要があります。

 

さてこの「離檀料」ですがよく言われているように法律的な根拠のないお金です。

ですから要求されたところで支払いの義務はありません。

ただ実際問題長年お世話になったお寺ですからまったく支払わないということでは話し合いがこじれることもあるでしょう。

とはいえ冒頭の日経新聞の記事では1000万円とか500万円とかいう話も出ているようですし、先程の国民生活センターの事例では250万円という話だったようです。

さすがにこれは法外と言わざるを得ない金額であろうと思います。

「離檀料」には法的な支払い義務はないわけですから、なぜその金額となったのか根拠をきちんと先方の寺院さんにご確認した上で話し合いをするようにしましょう。

ちなみに先程の改葬手続きのスライドであれば①の時点で「離檀料」のこともお聞きしてください。

改葬先に正式に申し込んだはいいけど今までのお寺の手続きに時間がかかってしまうようなこともありえます。

①②は同時並行して進めていくぐらいでいいと思います。

 

後の世代への配慮としての「改葬」

さてもう一つの話題は2018年4月9日付NHKクローズアップ現代+の

「急増する“墓じまい” 新たな弔いの形とは」

という放送です。

改葬の手続きを代行するサービスや亡くなった後に映像を残すサービスなどが紹介されていました。

いわゆる「墓じまい」が増えていることからネットを利用した新たな「改葬」等のサービスが登場し、また新しい供養の方法が登場していていることは以前にもここでお話しています。

「エンディング産業展」見学記

 

「改葬」は増えているのでしょうか?

よく使われる資料ですが、厚生労働省が毎年公表している「衛生行政報告例」という資料にこの改葬の届出件数の記載があります。

下図は「改葬」と「無縁墳墓等の改葬」についてその統計をもとに私がグラフ化したものです。

改葬の件数ですが平成17年度に一度ピークを迎えその後一時減少したものの、平成22年度から再び上昇傾向となり前年比で減少した年度もあったものの平成28年度における件数は全国で97,317件に及んでいます。

ただ「無縁墳墓等の改葬」については平成12年度以降ではじめて2,000件を割っています。

 

この二つをもって決めつけることは出来ませんが、いわゆる「改葬」「墓じまい」については誰も後継者がいなくなり無縁墓になってしまって霊園さんや寺院さんなどの側で改葬するケースよりも、現在の墓の祭祀を守っている方が自分たちの後のことに配慮などして積極的に「改葬」「墓じまい」を検討しているのではないかと私自身は考えています。

その配慮の結果としてお墓がなくても供養できる方法があるのかどうか、もしあればその形で供養してもらえれば後の人たちの負担にならないであろうというお話しとして新たな供養の方法が出てきているのかもしれません。

 

私の事務所では終活の一環としてお墓についてのご相談もお受けしています。

お悩みなどある方はこちらの業務案内ページも併せてご覧いただきお問い合わせください。

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