ブログ

まずしっかり理解して奨学金の利用を検討しましょう

先日朝日新聞で奨学金をめぐる自己破産についての記事が掲載されました。

奨学金の返済にかかわる本人もしくは保証人等が自己破産した事例が2016年度までの5年間に延べ1万5000人になるという内容で、ネット上でも話題になっていました。

 

私大の授業料は上昇傾向

文部科学省の発表している「国公私立大学の授業料等の推移」に特に私立大学の授業料において、年によって前年比で微減する年はありつつもおおむね上昇傾向にあります。

資料そのものは私立大学において文系と理系と一緒にして算出している平均値であることから文系はこの金額の1割減程度、理系においては1.2倍程度、医科歯科系は3.3倍強ぐらいになろうとは思います。

(参考文部科学省「私立大学等の平成27年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」)

この点を考慮する必要がありますが、傾向を見るという点では参考になる資料かと思います。

私が大学に入学したのは平成3年ですがこの年度の私立大学の授業料平均は641,608円となっています。

これに対し先程の資料上で直近となる平成28年度の私立大学の授業料平均は877,735円です。

先程も申し上げたように多少前年比で微減する年もありますが25年間で授業料が約236,000円増えたことになります。

ちなみに入学金に関しては平成3年度271,151円であったものが平成11年度に290,815年までおおむね上昇したあとは減少傾向になり平成28年度の入学金は253,461円となっています。

授業料にしても入学金にしても物価変動率を加味していないので単純に比較することはできないかもしれませんが、それでも私大の授業料は基本的には上昇傾向にあると考えていいのではないでしょうか。

なお国立大学については上記資料では国の決めた標準額が示されていて平成17年度以降は535,800円で変わっていません。

詳細を知りたい方は下記のリンク先をご覧いただけると幸いです。

文部科学省ホームページ「国公私立大学の授業料等の推移」(なおリンク先はPDFですのでご注意ください。)

 

奨学金の制度をしっかり理解しよう

奨学金の延滞については非常に気になる資料もあります。

奨学金の貸し付け業務を行っている機関としては冒頭の記事にも出てくる日本学生支援機構(以下学生支援機構とします。)があります。

この学生支援機構のホームページに毎年度「奨学金の返還者に関する属性調査」というアンケート調査が行われていてその結果等が公表されています。

その平成27年度のものを見ているのですが、気になると申し上げたのはこの調査にある「返還義務を知った時期」という項目があることです。

つまり「奨学金は返すものと知った時期」というお話しです。

このような項目があることは、学生支援機構の奨学金について返済義務があることを認識していない人がいるということになります。

これについて延滞者と無延滞者とに分けて比較しているのですが、無延滞者の9割近くが「申し込み手続きを行う前」に返還義務を知っていたのに対し、延滞者の場合「申し込み手続きを行う前」に返還義務を知っていた方は5割程度、「申込手続中」に知った人を加えても64%弱であるということです。

この調査どおりであるならば、返済計画などを考えることももちろん重要ですが、それ以前に学生支援機構の奨学金はいわば「借金」であるということを理解していない方が延滞している方には多いということになります。

 

返済ができずに自己破産してしまうケースがあることはとてもつらいことかと思います。

ただ一方でこの調査を見る限り奨学金やローンなども含め教育資金についてどのような制度があるのかしっかり理解されていない方もいらっしゃるのかなと感じます。

資料を見た印象のみではありますが、まずは奨学金の内容についてきちんと理解するところから始めることが将来的な延滞を避ける第一歩になるかもしれません。

学生支援機構のHPには奨学金ガイドブックという8ページからなる冊子があります。

また日本FP協会のHPにも「進学にかかるお金と奨学金の話」という小冊子がダウンロードできるようになっています。

各ホームページにて確認できますので、このような冊子などを利用してまず奨学金について理解するところからはじめるようにしてください。

 

大学独自の制度も知ろう

奨学金については貸与型と給付型という2種類があります。

個人的には「奨学金」という言葉は本来給付型を指すのではないのかな?という印象も持っていますが、現状このような2種類があるという形にはなっています。

貸与型奨学金は文字通り「貸与」ですから将来返済しなければいけないものです。

給付型は学生支援機構にもありますし、大学として独自の給付型奨学金制度を設けている学校もあります。

例としては恐縮ですが私の母校でも授業料の半額相当額の給付制度などが設けられています。

 

ちなみに私はこの制度を3年時と4年時の2年利用しました。

成績や経済状況など審査基準があり、また面接も受けることになりますが、真面目に授業には出ている学生だったせいかなんとか利用がかないました。

同じような仕組みの奨学金制度が設けられている大学は他にもあります。

ただし支給時期によっては授業料入金後に給付されるケースもありますので、審査時期や給付時期などこちらもまた確認するようにしましょう。

今日は学生支援機構の奨学金の説明はしませんでしたが、奨学金制度を利用するにあたって特に貸与型を利用する場合には制度の仕組みや利息、返済期間などいろいろなことをしっかり理解することがまず必要です。

 

関連記事

ページ上部へ戻る