ブログ

養子縁組と「配偶者の同意」

このブログでよくアクセスいただいている投稿に養子縁組・離縁と氏・戸籍というお話しがあります。

養子縁組や離縁によって氏や戸籍はどうなるのか?という点についてその基本をお話ししたものです。

今日はその投稿と関連するテーマとして「配偶者の同意」というものを取り上げることにします。

 

未成年者を養子にする場合は配偶者とともにすることが原則

本題に入る前に一つの前提条件があります。

それは民法の第795条です。

第795条

 配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。

 

普通養子縁組においてはこの条文にあるように未成年者を養子に迎える場合、婚姻中の方が養親になるときは夫婦で養親になることになります。

なお結婚していない方が養親として養子を迎える場合は、この規定は当然かかわりがない規定になります。

(なお特別養子縁組においてはそもそも配偶者のある方でなければ養親にはなれないことが原則です。)

 

条文の「ただし」以降の部分の例外はありますが、原則としてこの規定違反の縁組は無効となります。(民法第802条第1号の規定参照ください。)

したがって夫婦で未成年者を養子にする場合はそもそも同意以前の問題でして、夫婦二人で養子に迎える意思が必要になるわけです。

なお未成年者を養子に迎える場合は原則として家庭裁判所の許可が必要になりますが、例えば配偶者のいわゆる「連れ子」を養子にする場合はこの許可は不要になります。

またこの「連れ子」養子が嫡出子の場合は先程の795条ただし書きにあるように養親の単独縁組が可能です。(ただしこの場合でも実親の同意が必要です。)

 

「配偶者の同意」が必要なのはなぜか?

さて今日の本題ですが民法では縁組と配偶者の同意についてどのように規定されているのでしょうか?

民法第796条にその規定があります。

第796条

 配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。ただし、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。

まずこの条文の本文から見てみましょう。

「配偶者のある者が縁組をする」ということが指している意味です。

これは養親側と養子側とを問わずそれぞれの当事者に配偶者がいる場合はその同意が必要になる、ということを示しています。

さてなぜでしょうか?

 

一般的に言われる理由というのは養子縁組によって相続関係や扶養関係に大きな影響が出ることになるからといわれています。

すでにこのブログでは相続対策と養子縁組について何度かお話しをしています。

養子縁組がなぜ相続税対策になるのか?(追記あり)

相続税対策と養子縁組についての判決を見てみる

 

ただ相続といっても必ずしもいわゆる「プラスの財産」だけというわけではありません。

借金などのいわゆる「マイナスの財産」も含まれます。

また養親と養子には縁組によって民法第877条の扶養義務も発生します。

お互いにたすけあっていく必要が出てくるわけです。

こういったことから養親養子という当事者の配偶者の同意が重要になってくるわけです。

ただし先程の796条のただし書きにあるように夫婦で養子縁組をするなどの場合には当然に同意はいらない、というよりも795条のところで触れたのと同様に夫婦二人で養子に迎える意思があるわけですから同意というお話しにはならないわけですね。

 

「同意」をどう記載するか?

ところで養子縁組届の用紙というのは全国どこでも変わりませんが、この「配偶者の同意」を記載する欄というのは特定されていません。

では実際にはどのようにこの「同意」を記載するのでしょうか?

いろいろな市区町村のホームページを見てみると大きく二つの方法が記載されています。

まず一つ目は養子縁組届の半分より右側、「養親になる人」を記載する側の真ん中あたりに「その他」という欄があるのでここにその同意を記載する方法です。

例えば次のように書きます。

「この縁組に同意します。 養父の妻 練馬花子  印

             養子の妻 石神井花美 印 」

というような形式になります。

 

もう一つは別途同意書を添付する形です。

千葉市や東近江市といった自治体ではホームページ上に同意書のひな型を公開しています。

必要な事項を記載して印鑑を押印する形です。

 

どちらでも可能ですが、詳しくは縁組届を提出する自治体に事前にご相談いただくといいでしょう。

また養子縁組の手続きや届の提出など当事務所でもご相談を承っております。

ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。

関連記事

ページ上部へ戻る