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所得控除と可処分所得

前回「可処分所得」についてお話ししました。

そのお話しの中で、みなさんに気にしていただきたかったのは税金の存在もさることながら「人的控除」と「物的控除」、いわゆる「所得控除」の存在です。

この「所得控除」は各ご家庭の世帯構成や収入、働き方などによって変わってきます。

前回の例で挙げたケースでは配偶者控除の適用があり、子どもの扶養控除はない代わりに旧「子ども手当」現「児童手当」が支給されている旨のお話しをしました。

昨今国は女性の社会進出等を掲げていますが、共働き世帯でそれぞれしっかりフルタイムでお仕事されているご家庭であれば「配偶者控除」の適用を受けることはないですよね。

またお子さんが16歳以上になれば扶養控除の対象になりますし、70歳以上のご両親と同居していてご両親が控除対象扶養親族であれば老人扶養親族にも該当します。

それぞれに控除額が定められています。

私のように独身の単身者で、親などの扶養対象親族がいないケースでは「人的控除」は「基礎控除」のみということになるでしょう。

このように世帯構成や扶養親族の構成などによって控除の額が違ってきますので、所得税や住民税の額に影響が出てきますし、結果として「可処分所得」にも違いが出てくることになってくるわけです。

 

また自営業者などはそもそも給与所得がないのですから給与所得控除もないわけで、「可処分所得」の考え方も給与収入者の方とは違ってきます。

給与所得控除は実際の経費の存在にかかわらず収入から差し引かれますが、事業所得は実際の経費しか差し引きできません。

したがって給与所得控除は「可処分所得」の一部になりえますが、事業収入の必要経費は「可処分所得」にはなりえません。

 

さらに当然のことではありますが、一人ひとりの方にどれだけの年収があるのかはその方の置かれている状況や経験、能力等によっても違いは出てくるところでしょう。

いわゆる「独身貴族」という言葉がありましたが、独身だからといっても金銭を自由に使えるほどに収入がある方ばかりではありません。

また未婚である理由として自らの経済力、つまり収入に不安を抱えている人たちがいることも最近は知られるようになりました。

結婚と出産に関する全国調査概要をうけてのひとりごとというお話しの中で少し触れたことがあります。)

 

先日北陸地方のとある自治体の子育て等のプロジェクトチームと財務省主計官の意見交換会があったそうです。

その中でプロジェクトチームのメンバーの方から「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と質問がでたという趣旨の記事が北國新聞さんに出た上に、この記事の見出しに「「独身税」提案」とあったためSNSなどで大きな批判がありました。

当該自治体のホームページでは当初そういった発言はなかったとするお知らせをあげたもののすぐに削除し、その後新聞に掲載されたような発言があったことは事実であると認識している旨のお知らせを新たにアップしています。

さらに当該自治体は「独身税」なるものの提案も否定していました。

私は結婚したかったけど残念ながらできていない独身者ですが、自分の甥っ子や姪っ子はかわいいですし、お子さん方がいい環境で成長してくれることは大切だと思います。

またお子さん方の将来のために何かしら役に立つことがあればいいなとも思います。

 

ただ先程の記事の発言が報道どおりだとすれば、「独身者に負担を」というひとくくりで考えられてしまうのはちょっとばかり残念に思います。

生活水準が下がるケースは、勤務先が倒産したとか、リストラされたとか、親の介護等で退職する必要が出てきたなど様々な事態が考えられます。

この中には既婚の方も独身の方もいらっしゃるでしょう。

記事どおりであるならば、発言された方のイメージされている独身者がいわゆる「独身貴族」のような方を考えていたのかもしれませんが、現実にはそうとも言い切れないでしょう。

 

もちろんお子さんを育てている世帯の方は食費や学校外教育費などかかる費用は確かに大きくなると思います。

ただ先程お話しした手当や控除なども存在しますし、理屈の上ではダブルインカムでの世帯収入により収入を増加させることも一応は可能です。

とはいえ待機児童の問題などもあってなかなか理屈通りにはいかないでしょうし、他にも生活の大変な面も当然あるかとは思います。

が、世帯としての可処分所得のことで考えれば既婚か未婚かというだけで単純に比較することは難しいのではないでしょうか。

独身者であると既婚者であるとを問わず生活水準は世帯ごとによって違います。

既婚か未婚かで図ることは難しいのではないでしょうか?

 

折も折、2017年9月8日付日本経済新聞朝刊で

「税制 多様な働き方に対応 宮沢洋一・自民税調会長に聞く 年内に方向性、所得控除見直し」

という記事があがりました。

自民党の税制調査会会長さんと報道各社のインタビューの記事だそうで、基礎控除や給与所得控除の見直しや、公的年金等控除のあり方の検討なども記事にはあげられていました。

他紙の同じ件の報道等を見ると、給与所得控除は減額する方向性を検討しているようようです。

「可処分所得」がどの程度になるのかは今後の所得控除やいわゆる「住宅ローン控除」に代表される税額控除後の所得税や住民税、さらに社会保険料などによって変わってきます。

既婚か独身かという話でなくお子さんの成長をどうすれば社会全体で支えていけるのかを考えることのほうがもっと前向きな話になるのではと個人的には思っています。

とはいえそのくらい納税できるようにもう少し仕事がんばらなければいけない、と自分自身反省する点もたくさんあってあまり偉そうなことはいえませんけどね・・・。

 

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