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「可処分所得」って何?

唐突ですが今日は「可処分所得」という言葉についてお話しします。

ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、「可処分所得」はいわゆる「年収」とは違います。

例えば会社員の方で他に収入源を持たない方の場合、「年収」というのは所得税やら社会保険料やらと言ったものが全て含まれた会社からの支給額(総支給額)のことです。

これに対して「可処分所得」というのは、いわゆる「手取り額」と呼ばれるものに近い、と思っていただければいいでしょう。

一般的には

 「可処分所得=年収−(所得税+住民税+社会保険料)」

というイメージになります。

では実際の計算はどんな感じになるでしょうか?

次の事例を用いてみてみましょう。

 

   Aさん 男性 35歳 会社員 年収600万円

      妻 35歳 パート勤務(配偶者控除の適用を受けることのできる収入とする)

      長男 9歳 小学校3年生

 

まず税金把握のため所得の算出から

最初にこの方の可処分所得を算出するにあたって所得税と住民税を計算する必要が出てきます。

そこでまず給与所得の計算をします。

給与所得は「給与収入-給与所得控除額」で算出されます。

なおこの「給与所得控除額」は国税庁ホームページにて記載がありますので関心のある方はご確認ください。

年収600万円のかたの給与所得控除額は

600万円×20%+54万円=174万円

この174万円を年収から引きます

600万円-174万円=426万円

この426万円がこの方の給与所得です。

 

「人的控除」と「物的控除」

次に「人的控除」「物的控除」と呼ばれるものをこの426万円から差し引きます。

「人的控除」とか「物的控除」って何?という話になりますよね。

この二つはあわせて「所得控除」といったりもします。

ということで「所得控除」についての説明を国税庁のウェブサイトから引用させていただきましょう。

 所得税法では所得控除の制度を設けています。
 これは、所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味しようとするためです。
 それぞれの所得控除の要件に当てはまる場合には、各種所得の金額の合計額から各種所得控除の額の合計額を差し引きます。
 (国税庁ホームページ タックスアンサー「No.1100 所得控除のあらまし」より引用)

この「所得控除」のうち人にかかわる控除を「人的控除」、それ以外で主に保険料等にかかわる控除を「物的控除」ということがあるわけです。

「人的控除」は誰しもにある「基礎控除」や配偶者に関する「配偶者控除」「配偶者特別控除」、一定の年齢層の扶養家族を対象とする「扶養控除」などがあります。

「物的控除」は年金や健康保険などの「社会保険料」が代表例です。

他に生命保険料や地震保険料の控除なども「物的控除」です。

さて事例に戻ります。

Aさんの「人的控除」ですがAさん自身の基礎控除と妻の配偶者控除の適用があります。

なお長男については扶養控除の対象ではありませんが、いわゆるかつて「子ども手当」と呼ばれた「児童手当」の支給があります。

で、基礎控除と配偶者控除はいずれも38万円ですので、計76万円の「人的控除」があることになります。

「物的控除」についてはお手元に昨年の源泉徴収票のある方はその中の先ほどお話したような「社会保険料控除」や「生命保険料控除」などの記載がありますのでそれを差し引いていただくことになります。

「物的控除」については年収の15%相当と言われることがありますので、この事例ではそのパーセンテージを使用します。

したがって600万円×15%=90万円としましょう。

 

所得税と住民税の算出

さて次に所得税と住民税を算出します。

そのために課税所得を出してみましょう。

426万円-(76万円+90万円)=260万円

これが所得税の課税所得です。

このケースにおける所得税は

260万円×10%-97,500円=162,500円

となります。

住民税は同様の計算で税率は10%+均等割ということになります。

ただし先ほど触れた「人的控除」の「基礎控除」と「配偶者控除」は住民税の計算の場合はそれぞれ33万円となります。

所得税のときと比べ10万円控除額が少なくなりますから、住民税計算の際の給与所得は270万円となります。

したがって住民税は

270万円×10%=270,000円となります。(均等割は考慮しません。)

以上ここまでは可処分所得計算のための算出なので、だいたいでよくまた源泉徴収票をお持ちの方はご自身の数値で計算してみてくださいね。

 

可処分所得はいくらになったか

さてこのケースでの可処分所得は冒頭の

「可処分所得=年収−(所得税+住民税+社会保険料)」

という式にあてはめると

「600万円-(16万円(※)+27万円+90万円)=467万円」

(※所得税千円以下切捨てで算出しました)

となりこの467万円が可処分所得となります。

可処分所得は年収の80%程度とよくいわれますが、おおむねそれに近い数字になったかと思います。

これが可処分所得といわれるものです。

 

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