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相続に関する法律の改正試案がまとまったようです

法制審議会相続部会の改正試案まとまる

2017年7月19日に各新聞などで一斉に取り上げられた話題がありました。

見出しを挙げてみましょう。

「遺産分割から住居除く 贈与の場合  配偶者に配慮、法制審が試案」(2017年7月19日日本経済新聞朝刊)

「遺産分割前、仮払い可に 故人の預貯金、生活費・葬儀費に 法制審試案」(2017年7月19日朝日新聞朝刊)

「法制審議会 配偶者を相続で優遇する案まとめる」(2017年7月19日5時00分 NHK NEWS WEB配信)

と他にもありましたがひとまずこの辺で。

今回話題になったこの「法制審の試案」というものは法務省の法制審議会民法相続部会にて検討されているものです。

メディアの報道で取り上げられている詳細はこのブログを作成している時点で、まだ法務省のウェブサイト上で確認できませんが、いずれ確認できると思います。

実は昨年も次のようなお話しをこのブログでさせていただきました。

「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」のパブコメ結果が発表されました

預金と遺産分割(追記あり)

昨年にも法務省の相続に関する民法の改正試案についてパブリックコメントが行われましたが、あまり肯定的な意見は多くなかったようです。

そのあたりはこのブログの上記リンク先にてお話ししていますので、興味のある方はお読みください。

その後、さらなる検討を法制審が続けていたようですが、このほどその改正試案がまとまったようです。

報道では来月8月上旬からパブリックコメントにかかるとのことです。

 

配偶者の住まいの確保

さて同じ試案ですが、日経、NHKと朝日ではやや視点が異なっていますよね。

まず日経とNHKの記事では主に配偶者の住居の確保をどうするか?という点について重点がおかれた内容になっています。

婚姻期間が20年以上の夫婦が例えば夫から妻に住居を生前贈与したり遺贈したりした場合、この住居を遺産分割の対象から外して分割するというものです。

あくまで民法上の話であり、税制とリンクしている話ではありません。

が、いわゆる「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」とか「配偶者間の居住用不動産の2000万円贈与」とかいわれる制度を意識しているのではないかな?とは思われる内容ですよね。

日経新聞の記事でもこの「配偶者控除」について説明がなされています。

さてこの改正点ですが自宅不動産のみで資産を分けにくいというケースで、自宅の売却をして金銭化することなどにより配偶者の居住地が確保できなくなることを懸念して考えられている改正点と思われます。

先程ご紹介した中間試案のパブコメの際には「長期居住権」と言われる点について特に反対意見のほうが多かったようですので、それを受けてさらに検討した結果の改正試案ではないでしょうか。

 

預貯金の「仮払い」

もう一つの朝日の記事は以前このブログで預金と遺産分割 その後という記事や法定相続分の預金払い出しが認められくなって注意しておきたいこという記事でお話ししたことと重なります。

併せてお読みいただければ幸いですが、昨年の12月に預金と遺産分割の判例変更があったことによる判断といわれているようです。

その判例のポイントを引用します。

共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。

(裁判所ウェブサイト内 平成28年12月19日最高裁大法廷 決定文より引用)

この判例が出されたことによって被相続人の預金等の引き出しが難しくなるであろうことが考えられています。

それを受けてとりあえず「仮払い」の形での引き出しを認めて葬儀の費用や当面の生活費を確保することが狙いのようですね。

そういえば最近こういったことに備えた信託商品が金融機関などでも取り扱われているようです。

ただこういった民法の改正などによって預金引き出し等に法律で手当てをしていくことも検討されています。

まだ実際の改正はまだまだ先ですが、特に相続の法律も時代にそぐわないところを変えていく方向で国も考えています。

このブログでも折々お話しをしていきますが、ぜひこういった法律改正のニュースも気にかけていただけると良いのではないでしょうか。

 

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