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離婚後のライフプランの重要性と財産分与

今月は新婚家庭の方や、独身の方に向けてのライフプランのお話をさせていただきました。

今日からはもうひとつ、離婚後のライフプランについて考えていくことにします。

不思議なもので私自身は独身なのですが、前職時代から離婚にかかわるお話に関与することが意外に多かった、ということがありました。

またこれも不思議なことですが離婚された方や離婚を検討中の方にお会いすることも、以前からよくありました。

もしかするとこれもこういう仕事にかかわることになるきっかけだったのかもしれません。

なおライフプランのご相談については当事務所でもお受けしていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

ということで、焦点はいろいろとありますので、本題に入っていくことにしましょう。

 

離婚後のライフプランを考える重要性

別に離婚を勧めるつもりはないのですが、離婚をするにも準備をしっかりすることは重要です。

感情的な思いのみで、離婚し、その後の生活が苦しくなるようでは困りますよね。

経済的に自立できるような準備も必要でしょうし、住居をどうするか、支援してくれる親族等がいるかなど検討すべき課題はたくさんあります。

DVなど緊急性を要するものであれば別ですが、そうでなければやはり離婚後の生活のことをシミュレーションするなどもろもろ考えておくことが大切になります。

またもし離婚を検討しているけど離婚に踏み切れないという方にとっても、離婚後の生活設計を考えるということは多少なりとも将来の見通しが見えて離婚の最終的判断材料の一つになってきます。

そのためには色々な離婚とお金に関する用語を把握したり、お子さんのいらっしゃる方は自治体の支援制度などもどういったものがあるのか知っておく必要があるでしょう。

 

財産分与って何だろう?

まずは離婚の中でも大事な言葉「財産分与」についてお話ししていきましょう。

民法の第768条第1項には「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。」という規定があります。

これが財産分与の根拠になっている条文です。

ではこの財産分与、どういう意味合いを持っているのでしょうか?

その概略をさらっとですが確認することにします。

まずは最高裁判所の判例にその定義がありますので、そこから見てみましょう。

「離婚における財産分与の制度は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかることを目的とするものであつて・・・」

(裁判所ウェブサイト内最高裁判例昭和46年7月23日より一部抜粋)

この判例には一般的によく言われる定義が出ています。

前半の「共同の財産を精算分配」とあるところが「清算的財産分与」なんて呼ばれる財産分与の要素の一つです。

一般的に離婚において家や預貯金を分配することがこの「清算的財産分与」にあたります。

後半の「一方の当事者の生計の維持をはかる」とある部分は「扶養的財産分与」なんて言われたりもする部分です。

例えば妻が夫に財産分与を請求したとすると、「清算的財産分与」では妻が生計が維持できないようなケースではこのお話しが出てきますが、これはなかなか判断の難しい部分でもありましょう。

もう一つ、ここには出てきませんが財産分与には「慰謝料的財産分与」という側面も考えられます。

ただ本来慰謝料と財産分与は別の話でもあります。

実際先程の昭和46年7月23日の最高裁判例には次のような記載があります。

ちょっと長いですけど引用しますね。

「裁判所が財産分与を命ずるかどうかならびに分与の額および方法を定めるについては、当事者双方におけるいつさいの事情を考慮すべきものであるから、分与の請求の相手方が離婚についての有責の配偶者であつて、その有責行為により離婚に至らしめたことにつき請求者の被つた精神的損害を賠償すべき義務を負うと認められるときには、右損害賠償のための給付をも含めて財産分与の額および方法を定めることもできると解すべきである。

 そして、財産分与として、右のように損害賠償の要素をも含めて給付がなされた場合には、さらに請求者が相手方の不法行為を理由に離婚そのものによる慰謝料の支払を請求したときに、その額を定めるにあたつては、右の趣旨において財産分与がなされている事情をも斟酌しなければならないのであり、このような財産分与によつて請求者の精神的苦痛がすべて慰藉されたものと認められるときには、もはや重ねて慰藉料の請求を認容することはできないものと解すべきである。

 (裁判所ウェブサイト内最高裁判例昭和46年7月23日より一部抜粋)

全然関係ないんですけど、判決文ってなんでこう一文の文頭から文末の「。」までが長いんですかね・・・。

前半の一文では裁判所では裁判になったら慰藉料も含めて裁判所は財産分与額などを決めることができる、という意味ですね。

また後半の一文は財産分与に慰藉料が含まれていると考えられるときは重ねて慰謝料の請求はできない、ということになるわけです。

とはいえこういった財産分与や次回お話しする慰謝料など離婚において争いがあれば話がつかなれば、弁護士さんにお願いをしなければいけない部分になってくるということも離婚についてはあわせてよく理解しておく必要がある点でもあります。

財産分与について当事者間で話がつかない、もしくは話ができなければ、家庭裁判所に財産分与の協議に代わって処分を請求することになるわけです。

なおこの場合、離婚のときから2年以内という期限付きです(民法第768条第2項)ので注意が必要です。

ということで長くなりましたので、次回はこれ以外の「離婚とお金にまつわる言葉」についてお話しする予定です。

 

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