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投資信託の心配なこと

金融庁長官の指摘

当事務所は行政書士&FPの事務所という性質がありまして、どちらかというと今年の年初にもお話したように生活密着型のタイプの事務所です。

前職時代からの私の経験上相続や遺言、お墓や葬儀等のお話、住宅取得計画など家計のご相談、働き方関連などを業務にしています。

ですからこのウェブサイトではあまり資産運用関係のお話はしていないわけですが、そんな当事務所にしてはめずらしく今日は投資信託についての気になるお話です。

おととい2017年4月11日の日本経済新聞朝刊に

「投信 資金流入8割減 16年度、8年ぶり低水準 月々の分配金引き下げで」

という見出しの記事がありました。

低水準といっても記事によれば約1兆3000億円はあるそうですけどね。

で、記事の中にもあるですが、投信の運用が難しい環境になってきていて元本を削って分配金に回すファンドなどもあるようです。

もうひとつ記事中に、金融庁の長官が「毎月分配型は長期の資産形成に適しているとは言えない」と指摘しているという話がありました。

実は今年2017年4月7日に日本証券アナリスト協会 第8回国際セミナーにて金融庁長官が行った基調講演の内容が、金融庁のウェブサイトにてアップされていまして、先日からこの内容が一部で話題になっていたのをみかけました。

詳しい内容をごらんになりたい方は金融庁のウェブサイトの新着情報からアクセスできるかと思いますので、ご確認いただければと思います。

この中で「我が国の投信販売の問題点」「顧客本位の業務運営に関する原則」という項があるのですが、その内容が販売側にはけっこう厳しいものとなっていました。

特に厳しいなと思う部分を何箇所か引用させていただきましょう。

 「また、毎月分配型の投信は、引き続き多く販売されていますが、毎月分配型では複利のメリットが享受できないことをお客様に理解してもらった上で投資判断していただくのが「顧客本位」ではないでしょうか。同様に、過去数年間、高い値上がり率を示している投信も人気ですが、こうした投信の販売にあたっては、高値掴みの危険性についても言及するのが「顧客本位」だと思います。」

 「こうした話をすると、お客様が正しいことを知れば、現在作っている商品が売れなくなり、ビジネスモデルが成り立たなくなると心配される金融機関の方がおられるかもしれません。しかし、皆さん、考えてみてください。正しい金融知識を持った顧客には売りづらい商品を作って一般顧客に売るビジネス、手数料獲得が優先され顧客の利益が軽視される結果、顧客の資産を増やすことが出来ないビジネスは、そもそも社会的に続ける価値があるものですか?」

 「ここ数年、友人から、「母親が亡くなり遺品の整理をしていると、最近購入したと思われる、お年寄りには到底不向きのハイリスクで複雑な投信が、何本も出てきた」という苦情を聞くことがよくあります。もしかすると、そうした投信を売った営業員の方は、親のところにあまり顔を見せない子供たちに代わって、お母様の話し相手になっていたのかもしれませんが、これにより子供たちの当該金融グループに対する評価はどうなったでしょうか?」

以上 金融庁ウェブサイト内 2017年4月7日付 「日本証券アナリスト協会 第8回国際セミナー「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」における森金融庁長官基調講演」よりその一部を引用

(http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20170407/01.pdf)

A4用紙7枚分の基調講演の一部を抜粋して引用させていただきました。

むろん全文を読んでいただければ金融庁自身の課題などについてもこの講演では触れられています。

また逆に金融機関さんや運用会社さん側の言い分もあろうかとは思います。

ただよく金融リテラシーなんて難しい言葉がありますが、ご自身で株式投資をしたり投信をもろもろ調べたりできる人が買わないような商品を、まったく金融商品に興味のない人に販売側の諸事情で購入を依頼しているとするならば、やはりいい傾向ではないですよね。

 

高齢者と投信トラブル

また上記引用箇所の特に3つ目、高齢者向けの販売については私も時折耳にすることがあった部分です。

実際、独立行政法人消費生活センターのウェブサイトには毎年1000件を越える投資信託に関する相談件数が寄せられていますが、相談事例としてあげられているものの中には高齢者や認知症の方と投資信託購入に関するトラブルが目に付きます。

認知症の母親だったり高齢で寝たきりの父親だったりというところが購入対象になっていて、その後にお子さん方が消費生活センターに相談、情報提供するなどの事例があるようです。

確認をされたい方のために、消費生活センターさんのリンク先をご紹介しておきます。

独立行政法人消費生活センターウェブサイト内「各種相談の件数や傾向 投資信託」

親御さんと離れている暮らしているお子さん方にとっては、この手の話はやはり心配なところもありましょうし、こういう事例に備えて成年後見制度の利用を考えなければいけないなんてこともあるもしれません。

そのこと自体がお子さん方にとっては負担になることですよね。

先日日本経済新聞朝刊2017年4月3日付の「タンス預金が止まらない」という見出しの記事に触れたことがありました。

投信への資金流入が減った分の資金がもしタンス預金に向かっているとするならば、ず~っと言われている「貯蓄から投資へ」というお話はこの低金利下にもかかわらずやっぱり貯蓄にいっているらしいのかしら・・・。

冒頭の日本経済新聞の記事には毎月分配型の分配金が減ったことによって、大手証券会社の方の「高齢者の投信離れが鮮明になった」という声も書かれていました。

高齢の方々にとっては毎月の分配金が重要なわけですから、それが下がればそういう事態も起きてくるでしょうね。

それにしても本来であれば投資信託には投資信託の利点もあるはずです。

しかし金融庁側から今回のような指摘をうけるというのは、やはり現状はあまりいい状況ではないはずです。

投資へいざなうような制度設計も様々になされていますが、肝心の商品もしっかりしたものになってほしいと願うところです。

 

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