ブログ

その後の電力小売自由化~その7~

昨年2016年の4月にスタートした電力小売自由化から1年が経ちました。

この10日間ぐらいの間に各メディアでこれに関する様々な見出しの記事が配信されています。

代表的なものをいくつか挙げてみますと、

「新電力契約 じわり5.4% 自由化1年、全国で343万件 関東・関西7%台 地方と差大きく」(2017年4月8日付日本経済新聞朝刊)

「電力小売り自由化から1年 購入先切り替えは5.4%、恩恵はガスなど限定的」(2017年4月8日7時38分配信産経ニュース)

「電力自由化1年 契約切り替え300万件超 地域差が鮮明」(2017年4月9日5時8分配信 NHK NEWS WEB)

という感じです。

3つの見出しだけでも、1年間の電力小売自由化の様子がなんとなくつかめるのかな、と思います。

このブログでもこのお話しは過去何回か取り上げてきていますので、今日はこれらの記事を参考に1年経ってどんな感じか軽くですが触れてみようと思います。

 

都市部とガス会社

電力広域的運営推進機関は毎月1回、「スイッチング支援システムの利用状況について」という情報を公表しています。

この資料の中にある「スイッチング」というのは今の電力会社(例えば関東では東京電力ですね。)から他社への契約先の切り替えを申し込んだ件数の事を指します。

・・・というお話しはすでにその後の電力小売自由化というお話しの中でしていますので、あわせてお読みいただければと思います。

話を戻しまして、2017年3月31日までの利用状況が、電力広域的運営推進機関のウェブサイトにて4月7日付で公表されました。

この資料によれば、3月31日時点におけるこのスイッチング開始の申請件数は全国で342万7,900件となりました。

で、この数字に対して分母も以前に先ほどの当サイトリンク先で触れているのですが、2015年度の「一般家庭等の通常の契約口数」なるものを用いて試算したとすると、約6253万件とのことだそうです。

この結果、率に直すと5.48%となるわけです。

先程の日経新聞の記事にある「関東・関西7%台」という部分ですが、件数ベースでは関東地方すなわち東京電力パワーグリッド管内でのスイッチング件数は181万3,800件、関西電力管内では72万1,500件となりました。

この分母ですが昨年2016年5月25日に開かれた経済産業省総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力基本政策小委員会(第6回)の配布資料の中に「小売全面自由化に関する進捗状況」というものがあります。

この中で先程の約6253万件の地域ごとの内訳が出ています。

ちなみにこの約6253万件は従量電灯ABC及び低圧電力契約の合計となっていますが、細かいお話しはここでは省略しますね。

で、この資料によると東電管内の分母にあたる先程の契約口数は約2296万6000件、関電管内は約1006万7,000件となっています。

それぞれ東電管内が約7.89%、関電管内では約7.16%となるわけです。

一方で日経の記事やNHKの配信ニュースの見出しにもありますが、地域での差があるようです。

2017年3月31日付で河北新報オンラインニュースで配信された記事の見出しは

「<電力自由化1年>切り替え2% 新規参入進まず」

とありました。

この記事は3月31日付と1日早めに配信されたため2月末時点での切り替え件数でこのような見出しにしたようですが、2月末時点での件数ベースは11万500件でした。

「スイッチング支援システムの利用状況について」によれば3月末時点でも12万1,800件ですから微増ということになりますかね。

で、先程の「小売全面自由化に関する進捗状況」という資料によれば東北電力管内の契約口数は約546万7,000件のですので3月末時点で約2.22%となるわけです。

ちなみに同様の数字で私もスイッチングの率を計算してみたのですが、東電管内、関電管内以外で先程の全国での5.48%を上回ったのは北海道管内の約5.97%のみで、中部電力管内と九州電力管内は3%代、スイッチング件数がゼロであった沖縄電力管内以外の他地域は1%台でした。

確かに都市部に集中しているかなという印象は拭えないかなとは思います。

もう一つどの小売事業者に契約変更したかという点については、先程の産経ニュースの記事によれば、東京ガスが70万件以上、大阪ガスが30万件超とのことでした。

先程の東電管内のスイッチング件数が181万3,800件ということからすると、東京ガスの件数を70万件とした場合、東電管内のスイッチング件数の約38.6%と3分の1を超える件数を占め、同様の計算で大阪ガスの契約件数を30万件とすると関電管内スイッチング件数の41.6%超となってきます。

家庭用エネルギーの問題ということからから積極的に電力小売自由化に入ってきたのであろうガス会社がやはりスイッチング件数の多くを占めたようですね。

とはいえスイッチング件数自体が全国でまだ5%を超えたところです。

依然として手続きやシステムに関する不安、スイッチングによってどの程度得かもしくはスイッチングしないほうがいいのかなどのポイントが普及されていない、という点は改善されているとはいいがたいところでしょう。

そして今月から始まった都市ガス小売自由化とともにどのような組み合わせで家庭用の電気ガス、そして通信なども含めて契約状況を考えていく時代にいよいよ入っていくことになるようです。

関連記事

ページ上部へ戻る