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瑕疵担保責任って何だろう?

お話しに入る前に今日の日付をまず確認しておくと、今日は2017年(平成29年)3月26日となります。

なにゆえ最初に日付に触れたのかは後ほどお話しします。

で、今日は私が各種資格試験の受験時にはよく見ていたものの、普段はほとんどお目にかからない、しかしこのところ巷で注目を集めている言葉についてお話しすることにします。

別に何らかの主義主張によるお話しではなく、難しい言葉なのでなるべくわりやすくお話ししようといういつものこのブログの趣旨でのお話しです。

で、取り上げる言葉は「瑕疵担保責任」(かしたんぽせきにん)という言葉です。

特にこの「瑕疵」(かし)って言葉、読みも書きも難しい、という実にめんどくさい言葉です。

さてどのくらいわかりやすくお話しできるのかトライしてみることにしますね。

 

瑕疵担保責任のイメージ

まず最初に「瑕疵」というこの言葉、いったいどういう意味か、ですよね。

「瑕疵」はいわゆる「キズ」とか「欠陥」という感じでイメージしていただければと思います。

その上で、この瑕疵担保責任ですが、民法の条文に出てくるお話しです。

そこで例によって条文を確認することにしましょうかね。

(売主の瑕疵担保責任)
第570条
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
第566条
 1.売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
 2.前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
 3.前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

だいたいこの条文がそもそもわかりにくいんですよね・・・。

まず基本として570条にあるように「売買の目的物に隠れた瑕疵があったとき」とありますが、例えばある中古住宅を売買することになった場合にその住宅に隠れた欠陥があった時と考えていただければと思います。

更にここでいう「隠れた」という意味ですが、これは買主側がその欠陥について知らなかったし、知らないことに過失がない(善意無過失)という意味だそうです。

ちなみに売買の例でいま「中古住宅」と言いましたが、これが例えば大量生産品の場合は原則的にはこの瑕疵担保責任のお話しにはなりません。

大量生産品だったら欠陥があれば代わりに新しい同じものを売主さんからもらえばいいわけですよね。

つまり代わりのきかないものの売買で隠れた欠陥があったときのお話しが、この「瑕疵担保責任」のお話しになるというわけです。

で、不動産の売買契約書なんかにはこの規定がでてくるのですが、これは例えば土地って「練馬区石神井町○丁目○番○」の土地ってかわりがないですから、不動産の売買取引にはこの話がついていまわってくるわけです。

さてそれで、実際にこの欠陥があることが分かった場合は

「第566条の規定を準用する」

とあり、その566条には

「そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる」

とあります。

細かいことは省きますが、イメージとして先程の中古住宅で隠れた欠陥があって「契約をした目的を達することができない」つまりこの場合は普通「その住宅に住む」ことが目的になるでしょうから、「その住宅に住むことができない」ときはその売買契約を解除できる、というわけです。

また解除できないときは損害賠償請求ができるというお話しになってきます。

原則的には、売主さんに「欠陥を直せ」とは言えないのですが、欠陥の修理費用を売主さんに請求することはできるわけです。

これが瑕疵担保責任のざっくりとしてイメージです。

 

特約での変更

ところで先程の民法第566条の第3項に

「契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない」

とありますが、これって例えば買主さんが売買契約から10年後に欠陥があったことを知ったらそこから1年以内、という期限がついていることになります。

でもこれだと実際には期限がないようなもので逆に売主さんの負担が大きくなりすぎるということもあるでしょう。

そこで個人間の中古住宅の不動産売買契約で、この部分を例えば「引渡後6か月を経過したときはできない」というように、その物件の引渡の時点をスタートラインにしておくことが多いです。

今、中古住宅を購入する予定のある方はこの期間などはきちんとチェックしてほしいところですね。

ちなみに土地の瑕疵といえば土壌汚染とか地中に埋設物があったなんてことがその例ですし、建物についていえば雨漏りとかシロアリ被害なんていうのが代表例かなと思いますので参考までに。

あとこの「瑕疵担保責任」というものは強制されているルールではありませんので、先程の期限に関するものと同じように「瑕疵担保責任を負わない」なんていう特約も有効ではあります。

この辺り「瑕疵担保責任 免責」とか「瑕疵担保責任 免除」という言葉で検索していただくと結構出てきますし、私も前職では時折見かけた特約です。

ということで、非常にざっくりとですがイメージいただけましたでしょうか?

さて最後に冒頭に今日の日付のお話しをした理由を。

ご存知の方も多いかと思いますが、すでに一昨年ぐらいから民法の改正に関するお話しが出ていまして、この瑕疵担保責任の条文も民法が改正されるとこの言葉自体がなくなります。

そして新たに「契約不適合」という概念が登場してきます。

ただ今開かれている国会でも議案としては出ているものの審議が進んでいないようでどうなるのかはわかりません。

そこで冒頭に日付を確認の意味で載せたという次第です。

改正案が成立した場合にはまた改めてここでもお話ししたいと思いますが、実際に施行されるのはもちょっと先になりそうですね。

内容を詳細に見たいという方は念のため法務省の当該ページのリンクを下記に出しておきますのでよろしければどうぞ。

法務省ウェブサイト内民法の一部を改正する法律案

 

 

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