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ご遺骨の行き先を考える

見出しを読んで気の毒なお話しかな?と思ったら、なんだかなあ・・・、という記事がありました。

時事通信社が先日2017年1月13日(金)17:13に配信した「コインロッカーに妻の骨つぼ=死体遺棄容疑で74歳男逮捕―警視庁」という記事です。

Yahoo!JAPANのトップページにも一時出ていたのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。

逮捕された74歳男は2014年の夏に亡くなった奥様の遺骨を自宅で保管していたようですが、新しい交際相手の方と同居する家にこの遺骨をもっていけずに記事の言葉を借りれば「処分に困った」ことでこのような事態になったようです。

なんだか他にやりようもあったでしょうにねぇ・・・。

まして奥様のご遺骨を「処分に困った」という、本当にそういう表現で供述しているのであればせつないですね。

よく女性の方で「主人と同じ墓には入らない!」という方がいらっしゃいますけど、男性側からこういうケースもありえるということは知っておいてもいいかもしれませんね、っていえいえ今日はそういう話ではございません。

このブログでは何度もお墓についてのお話しをしていますが、今日はこんな事例にならないように知っておいていただきたいお話しをしますね。

 

死体損壊等の罪

まずみなさんに知っておいていただきたいこととしてご遺骨の取り扱いを間違えると刑法に触れるということがあります。

これは刑法第190条に次のような規定があるんですね。

(死体損壊等)
第190条
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。

今回の記事の出来事は、記事文中では「死体遺棄容疑で逮捕」ということになっていますが、現実的には「遺骨」を「遺棄」したことになりますかね。

みなさんもご存知のようにご遺骨を勝手にどこにもっていってもいいことにはなりません。

このブログで何度もお話ししている「墓地、埋葬等に関する法律」では第4条第1項で次のように規定されています。

第4条  

第1項 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

また納骨堂については「墓地、埋葬等に関する法律」の第2条第6項で次のようになっています。

第2条

第6項  この法律で「納骨堂」とは、他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう。

要するにご遺骨をおさめる場所というのは墓地や納骨堂というのが原則ということになります。

私の父の遺骨のようにおさめるまでの間自宅で安置していることは問題ありませんが、例えばこれを自宅の庭に埋めるとなれば、「焼骨の埋蔵」を「墓地以外の区域」に行ったことになりますから先程の「墓地、埋葬等に関する法律」の規定によってルール違反になります。

誰もが亡くなった方のお手続きとして火葬の後いずれかの時点で焼骨すなわちご遺骨をお墓などにおさめることが当然のことと思っているのではないでしょうか。

が、法律上の理屈づけはきちんとなされているということを知っておいていただきたいなって思います。

 

ご遺骨の行き先を考える

さて今回の記事の件ですが、何か方法はなかったのでしょうか?

実はおととし2015年のことですがご遺骨が商業施設などで遺棄される事件があったりしていて、おさめてもらえないご遺骨の存在が明らかになり始めています。

9月にこのブログでお彼岸と「想い」~その2~というお話しをさせていただいた際に、以前NHKクローズアップ現代プラスの「あなたの遺骨はどこへ ~広がる“ゼロ葬”の衝撃~」を拝見したときのことも若干触れました。

この番組でもお墓などにおさめることのできないご遺骨について取り上げていました。

ご覧になった方もいらっしゃると思いますが「預骨」「迎骨」「送骨」なんて言葉で印象に残っているかもしれませんね。

そもそもご遺骨をどうしたらいいのかわからないケースも人それぞれでしょう。

ご存知のように墓地や納骨堂におさめるにもそれなりの金銭が必要ですが経済的に難しいという方もいらっしゃるでしょう。

また最近では核家族化や単身世帯の増加などで付き合いのない親類のご遺骨を預からざるを得ないケースやシニア婚などによって墓を一緒にするのが難しいご夫婦のケースなど親族関係でおさめられないご遺骨もあるでしょう。

さらには先程触れた2015年の商業施設への遺棄のケースでは妻のご遺骨を遺棄した夫が「生前、苦労をかけられ、憎んでいた」という趣旨の供述をしていたという報道もあったようです。

このようにいろいろな理由でご遺骨の取り扱いに悩む方はいらっしゃるでしょうが、だからといってどこにおいてもいいというものではありません。

いろいろあってもご遺骨の行き先を考えるということが必要になってきます。

以前に送骨、納骨堂、樹木葬・・・新たなご遺骨の行き先でお話ししたお寺さんなどで行っている送骨を利用するとか、自治体のガイドラインにのっとった範囲での散骨などの方法はあります。

いずれも費用のことは検討の必要がありますが、それにしてもご遺骨をどのようにおさめるのか何かしらの方法はあるはずで、「処分に困った」と言って遺棄していいようなものではありません。

軽々しい判断で今回の記事のように逮捕されては大変ですので、わたくしの事務所でもご相談はお受けしていますし、お近くの専門家の方々でもいいと思いますので一人で抱えずにお話しすることが大切です。

いろいろな想いはあるでしょうが、最後の供養と思ってご遺骨の行き先を考えてもらいたいものです。

 

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