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納骨堂に固定資産税がかかるというお話し

昨年は終活支援の一環として、お墓の話を取り上げてきました。

(8月に終活のポイントとお墓のはなしというタイトルではじめて親子といわゆる「墓じまい」まで6回、また11月にお墓の数と費用のはなしから墓地・納骨堂選びで気をつけたいことまで4回、都合10回お話しております。もしよろしければあわせてお読みいただけると幸いです。)

また親子で墓のことを考えるというお話も10月にしていますが、自分の親父の遺骨についても動く方向になりそうです。

ということで「お墓」に関しての話題は、今年も随時お話する機会があろうかと思いますので引き続きよろしくお願いします。

さて今日はお墓ならば固定資産税はかからないはずだけど・・・、というお話です。

ただこれは購入した側ではなく運営側の税金のことなんですけどね。

 

基本的には非課税のはずだが・・・

ご自宅はじめ不動産をお持ちの方には毎年春の終わりから入梅時期にかけて固定資産税の納税通知書が送られてくることと思います。

固定資産税は市町村税であることは以前に住宅購入時のさまざまな諸経費というテーマでお話をしていますので、詳しくはそちらをごらんいただければ幸いです。

で、この固定資産税ですがすべての不動産にかかるかいうとそういうわけではありません。

固定資産税について規定している法律に「地方税法」というものがあります。

この地方税法の第348条に「固定資産税の非課税の範囲」というものが定められていまして、条文を見ると実はけっこういろいろあるんです。

その中の第348条第2項の第3号と第4号に以下のような記載があります。

(固定資産税の非課税の範囲)
第三百四十八条 
2  固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。

 三  宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第三条 に規定する境内建物及び境内地(旧宗教法人令の規定による宗教法人のこれに相当する建物、工作物及び土地を含む。)
 四  墓地

ちなみにこれ以外によく知られているところではいわゆる「公衆用道路」扱いされるものなどが典型ですね。

戸建住宅にお住まいの方の中には周辺住民のみなさんでいわゆる「私道」を共有されている方もいらっしゃると思いますが、その時に固定資産税が課税されていないものが結構あると思います。

さて、本題にもどりましょう。

以前にもお話しはしていますが、墓地というものは土地の所有権を買うのではなく、あくまで利用権を購入するものです。

ですから墓地つまり土地の所有者は公営でなければ、運営主体である例えばお寺さんなど宗教法人さんになってくると思います。

普通は土地や建物の所有者に固定資産税はかかってきますが、先程の地方税法の条文によれば、境内の建物とか境内地とか墓地とかは非課税なるような規定になっているわけです。

ところがある納骨堂について固定資産税等を課税することが認められた判決が昨年(2016年)の5月に東京地裁でありました。

これは非常に興味深い事例でして、昨年の秋に私が所属するFP勉強会でお墓のお話しをさせていただいた折にもこの件について軽く触れさせていただきました。

また行政書士をしていますと毎月日本行政書士連合会から「月刊日本行政」なるものが送られていきます。

資格を持っていますと資格者向けに送られてくるものがあるわけですが、昨年末に送られてきた2017年の1月号で、この固定資産税が納骨堂に課税されたケースについてレポートが載っていました。

先程の地方税法の条文の趣旨から考えれば課税されないように思えそうなんですけどそうではないケースがあるようです。

一体どうゆう事例なのでしょうか?

 

ビル型の納骨堂に対しての課税

今回の事例の納骨堂は最近都内に増えてきた搬送機械のある大型の納骨堂の一つです。

運営している宗教法人さんが、この納骨堂を含む建物に固定資産税と都市計画税を課税されたことについて都税事務所と争って、都税事務所が勝った、つまり固定資産税等が課税される、ということになった事例です。

もうちょっとだけ細かく言うと建物内の寺務所や本堂部分は課税されないもののそれ以外の部分、例えば遺骨が保管されている部分などが課税対象となったようなんですね。

先程もお話ししましたが一見すると墓地みたいなものですから課税されないようにも考えられそうなのですが、裁判所はそうは判断しなかったのですね。

なぜでしょうか?

先程の「月刊日本行政」に中でも主な判決理由が挙げられています。

その中のいくつかを簡単に拾うと、納骨堂の使用者が檀家さんでなくてもいいとか、販売委託を受けた会社が営業所を設けて無償で使っているとか、一定販売数に達しなかったらその会社から保証金の預託を受けることができるからとかその他にも記されています。

あとはさっきの地方税法の条文には「墓地」はあっても「納骨堂」はないとか、そんな理由もあるようです。

まあいろいろと首をひねるところはあるのですが、ここでそれは考えません。

ただご覧になられた方もいらっしゃるとは思いますがいわゆる「ビル型の納骨堂」って結構な建物なんですね。

固定資産税も少ない金額ではないと思うし当然課税されるなんて考えてなかったでしょうから、運営主体さんの資金計画とか大丈夫なのかな?と余計な心配をついしてしまいます。

都内では墓地が遠方であったり、お寺とのお付き合いがなかったり、お墓の金額の関係など様々な問題があったりします。

またお墓不足の問題もいろいろと言われているところです。

そんな中、最近のこういった新しいタイプの納骨堂に遺骨を納めようという方もいらっしゃるでしょう。

地方税を管轄するお役所の方も、裁判所も、納骨堂の運営主体さんもいろいろな見解はあるんでしょうが、何よりも利用を検討している方々が安心して遺骨を納める形が増えてくるといいなあとは思うんですけどね。

 

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