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死亡届のお話し~その2~

前回死亡届のお話しをさせていただきました。

主に死亡届をどこに出すのかというお話しと死亡届を出す人は誰なのか?というお話しでした。

今日は続きをもう少しお話しさせていただこうと思います。

 

届出には期間がある

前回もお話ししましたが戸籍法第87条第1項に記載されている人たちには届出義務が課されています。

ではいつまでに届け出ればいいのでしょうか?

これもちゃんと規定があります。

戸籍法第86条には次のように書かれています。

戸籍法第86条

 第1項 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。

まず行政書士試験ではないですが資格試験系によく出てきそうなポイントがあって、7日以内という期間の起算点は届出義務者が「死亡の事実を知った日」であって「死亡日」ではない、ということです。

亡くなった方を届出義務者が病院で看取った場合は、普通に考えて「死亡日」からといいことになるでしょう。

ただ親族が遠方に離れて住んでいるため亡くなったことに気付くのが遅れた場合は、当然に死亡日が死亡の事実を知った日にはならないでしょう。

こういうことがあるために起算点が「事実を知った日」になっていまして、これは民法の相続編にもよく出てくる言葉になります。

ところで「死亡の事実」つまり亡くなった日はいつか?という問題があります。

死亡届には添付書類として死亡診断書又は死体検案書を添付することになっています。

(戸籍法第86条第2項に記載があります。)

実務的には死亡届の用紙の左側が届出事項を記入して、右側が診断書又は検案書としてお医者さんに記入していただく欄があります。

診断書又は検案書には死亡日時を記載していただくのですが、この日時を死亡届の「死亡したとき」を記入する欄があるのでそこに書き込むことになります。

例えば私や母、弟家族他親類が病院でうちの親父を看取った際にお医者さんが死亡時刻を宣告してくださいました。

その日時がこの「死亡日時」となるわけです。

もうひとつ先程からお話ししている「診断書又は検案書」についてですが、わかりやすく言えば例えば病院で亡くなった場合はお医者さんから死亡診断書を出していただけるでしょう。

これに対して例えば不幸にして交通事故等で亡くなられたケースでは監察医さんにお書きいただく死体検案書を添付することになろうかと思います。

この辺は本来お医者さんのお話しになってきますので詳しい話は省きますが、厚生労働省のウェブサイト内にある「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル」というものありまして、そこには死体検案書を交付する事例について以下のように記されています。

医師は、次の二つの場合には、死体検案を行った上で、死亡診断書ではなく死体検案書 を交付することになっています。

① 診療継続中の患者以外の者が死亡した場合

② 診療継続中の患者が診療に係る傷病と関連しない原因により死亡した場合

(厚生労働省 「死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル」4ページより引用)

一応参考までに。

それから私は渉外業務は専門ではありませんのでこれも詳しいお話しは省きますが、先程の戸籍法第86条第1項のかっこ書きにありますように日本人が国外で亡くなった場合には死亡の事実を知った日から3か月以内となります。

この場合戸籍法第40条の規定によって届出人はその日本人のいた国に駐在する日本の大使、公使または領事に届出をすることもできます。

これも参考程度に。

 

誰も届出人がいない場合はどうなるのか?

さて前回今回と死亡届の届出場所、届出人そして届出期間とざっとですが眺めてきました。

ここでもう一つ「誰も届出人がいない場合はどうするのか?」という話があります。

そんなことがありえるのか?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、前回もお話ししたように高齢者で120歳以上で所在がわからない方の戸籍が残ったままになっているケース、私も見たことがありました。

このような所在不明な方の戸籍が出てこないようにするためには、戸籍法87条の記載のある死亡届の届出義務者も届出資格者もいないという場合でも何らかの措置が必要になってきます。

では具体的にどうするのでしょうか?

前回参考書籍として書名を出させていただいた「戸籍のためのQ&A「死亡届」のすべて」より引用させていただきましょう。

死亡の事実を知っている者、例えば、事件本人(死亡した者)の知人、縁故者、その他利害関係人等が、死亡を証する書面(死亡診断書又は死体検案書)を添付して、戸籍に死亡事項の記載を求める申出書を市区町村長に提出することになります。

(荒木文明・菅弘美著 日本加除出版発行「戸籍のためのQ&A「死亡届」のすべて」本文17ページより引用)

引用させていただいている本は戸籍のお仕事をされる方が本来お読みになるような本だとは思いますが、私たちのような業務を行う者にとってもためになることがたくさん書かれています。

で、この「申出書」ですが実際には死亡届を使うものの届出人はいないので事実上死亡届としては役所にうけとってもらえないことになります。

この場合、この申出書を受け取った市区町村長さんは管轄の法務局長さんの許可を得て職権で死亡の記載を戸籍に加えることになります。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、法務局には戸籍を担当している部署があります。

その許可を受けての市区町村長さんによる職権記載という形になるのですね。

多くの方に関係あるお話しではないかと思いますがこういうこともあるんだというお話しでした。

 

ということで死亡届の話はこの2回までとさせていただきます。

 

 

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