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死亡届の届出先と届出人

今日はちょっと珍しいかもしれませんが、「死亡届」についてお話しします。

というのも私事で恐縮なのですが、先日この「死亡届」のことで恥ずかしながら自分の中で認識を誤っていたことがあったんです。

あらためて調べて「あらあら」と自分の勉強不足を感じることがありました。

で、せっかく調べたのですし、人の最期という大切なお話しですので、ここでお話しさせていただこうと思いました。

また以前にお墓のことでお話ししている火葬許可証を申請するには、死亡届を受理した市町村長さんが許可することになっています。

(墓地、埋葬等に関する法律第5条第2項に規定があります。また火葬許可証については以前終活とお墓のはなし~その2~で取り上げていますのでよろしければ併せてお読みくださいませ。)

自分の親父が逝った時もそうでしたが、法律上いろいろな意見はあるものの実務上死亡届は葬儀会社の方にお願いする機会が多いかとは思います。

とはいえ、ケースによっては自分たちで手続きすることもありえるでしょう。

あってほしくはないとはいえ、知っておいていただくことでお役に立つこともあるもしれません。

肩の力を抜いてお付き合いいただければ幸いです。

 

死亡届はどこに出すのか?

人が亡くなったら死亡届を出すことになります。

でなければいつまでもその人が戸籍上生きていることになってしまいます。

ずいぶん以前事務員時代に一度だけ相続の手続きだったか戸籍を取り寄せてみたところ120歳以上で所在が分からないにもかかわらず戸籍が残っている方、つまり生存していることになっている方の戸籍のケースにぶつかったことがありました。

結局その案件は途中で手を離れることになったのですが、実はその後所在不明の高齢者についての戸籍の問題というのが出てきました。

2010年頃に実在しない高齢者の方の問題が報道されることもありましたが、届出が出ずに放置されている戸籍があったんですね。

そういうことになると相続等のお手続きに支障をきたすことは間違いないわけです。

さて本題にもどります。

死亡届の提出先は基本的に次の3か所になります。

①死亡者の本籍地(戸籍法第25条第1項)

②届出人の所在地(戸籍法第25条第1項)

③死亡者の死亡地(戸籍法第88条第1項)

その他死亡地の明らかでないケースや交通機関の中、災害など様々なケースも条文には想定されていますが、ここでは省略しますね。

まず最初のポイントですが「死亡者の住所地は含まれていない」ことです。

①②の戸籍法第25条というのは「通則」といってどの戸籍の届を出す際にも原則として適用される条文で、次のように記載されています。

戸籍法第25条

 第1項 届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない。

死亡届でいう「届出事件の本人」は亡くなった方のことです。

したがって亡くなった方の本籍地なんですね。

また戸籍法第88条第1項の規定で死亡地でも届出が出せることになっています。

さて先ほどの条文には「届出人の所在地」とありますが、ここでいう「所在地」は基本的には現住所だと思っていただいてけっこうです。

ただ一応参考程度にお話ししておくとこの「所在地」には住所地のほかに居所や一時的な滞在地も含まれるようです。

(明治32.11.15民刑1986号回答 昭和27.11.14民事甲第629号回答

 なお参考書籍として荒木文明・菅弘美著 日本加除出版発行「戸籍のためのQ&A「死亡届」のすべて」)

話はもどって、したがって戸籍法上の規定では亡くなった方の住所地に届け出ることはないわけです。

ところで、この②にいう「届出人」って誰でしょうか?

 

届出人は誰なのか?

死亡届の届出義務者は何も親族に限ったわけではありません。

もし親族だけに限定してしまえば、身寄りのない方は誰も死亡届が出せなくなってしまいますものね。

条文を確認しましょう。

戸籍法第87条です。

第87条

第1項 左の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。但し、順序にかかわらず届出をすることができる。
  第1 同居の親族
  第2 その他の同居者
  第3 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
第2項  死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人及び任意後見人も、これをすることができる。

規定を見ていただくと基本的には同居している人が届出をすることをまず想定している感じですね。

また第1項に掲げられている方々は死亡届を「しなければならない」となっていて届出義務があることに注意です。

義務ですので正当な理由もなくこの義務を果たさないと届出を怠ったことになって5万円以下の過料という規定もあります。

(戸籍法第135条に期間内に届出等をしない場合の罰則について書かれています。)

ただし第2項の人たちが届出をすればこの義務は免除されます。

で、親族は同居していなくてももちろんできるわけで、再び私の場合で恐縮ですが、親父の死亡届の届出人は私です。

私は当然東京にいて「同居の親族以外の親族」という先程の第87条第2項の規定に該当しているわけです。

この第2項の規定の人たちには届出義務がないので「届出資格者」なんて呼ばれたりもします。

また後見人等が届出することが可能なのはなんとなく理解していただけるかと思いますが、第1項の「第3 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人」というのはあまりなじみのない方が多いでしょうね。

身寄りのない方が自宅の賃貸住宅等で亡くなった場合はここにいう「家主」もしくは「家屋の管理人」の方が届出をするケースがあるかもしれません。

ご存知かもしれませんが、アパートなどを経営されている方はおさえておいていただきたいところかなとは思います。

さて死亡届のお話しは1回で終わりにしようかと思いましたが、もうちょっとお話しすることがありますのでまた次回に続けることにいたします。

 

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