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終活とお墓のはなし~その10~

私自身が所属しているFPの勉強会でお話ししたことの一部を終活とお墓のはなし~その7~~その8~~その9~とお話ししてきました。

今日は~その10~として、お墓を選ぶときに気にかけたいことについてお話しして、このシリーズの一区切りにしたいと思います。

なお先日来ご案内させていただいていますが、このブログではすでに何度かお墓のことについてはお話ししていますので、よろしければ下記のリンクも併せてお読みいただけると幸いです。

終活とお墓のはなし~その1~~その2~~その3~~その4~~その5~~その6~、また親子で墓のことを考えるというお話しもしていますので、よろしければ各リンク先よりご覧ください。)

では今日の本題に入りましょう。

 

墓地や納骨堂でも破たんはありえる

前々回の~その8~でお話しした資料として、厚生労働省ホームページに記載のある「墓地経営・管理の指針等について」というものをご紹介しました。

結構長いのでお読みになる方は時間をとって読んでください、とお知らせしました。

この資料は平成12年に出された、知事さんたちが墓地等の許可をするにあたっての指針とするものです。

が、実は私たち使用者側が墓地等の購入を検討する際にもチェックすると有益なポイントがたくさん書かれていて、私たちがどのような点に気をつけて墓地等と契約を結ぶべきか参考になる点がたくさんあります。

お時間を取れる方はこのガイドラインをしっかりお読みいただければいいのですが、それでは大変ですので、今日はその中のいくつかを拾っていこうと思います。

このガイドラインでは最初の序論の部分において「墓地経営を取り巻く厳しい現状」として平成12年当時の墓地経営の破たん事例から次の三つが背景としてあげられています。

第一に「墓地使用権の販売等により一時的に多額の金銭が集まることによる危うさの存在」

第二に「最近では特に金利が低いために、財産の運用が大変難しいこと」

そして第三に「墓地経営の見通しが難しいこと」です。

こういったことがあげられているあたりすでに16年前における墓地等が破たんした事例の理由がわかりますね。

なんとなく墓地や納骨堂は無くならないと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、決してそうではないのです。

例えば今から6年前の2010年、北陸地方のあるお寺が自動搬送システムを使った5000基収容の納骨堂を作りながら60基しか購入者がなく施行業者による破産申し立てにより破産した事例がありました。

納骨堂はお寺の破たん前に納骨堂の施行業者によって差し押さえの上競売落札、お寺の土地建物も納骨堂の納入業者に所有権が移る事態になったとの報道でした。

すでに納骨堂に収められていたご遺骨は遺族の方に返還されることになったようです。

こんなことが起こりうるからこそ、気を付けて墓地等を選ぶ必要があるのです。

 

どんなところに気を配るのか

ガイドラインに戻りましょう。

先程もお話ししましたように、このガイドラインは当時の知事等にあてられて墓地や納骨堂の許可を出すにあたっての指針をあげていく内容のため消費者側にはわかりにくいところがあります。

しかし私たちが注意していくべき点も書いてあります。

その中から少し拾い出してみましょう。

まずガイドラインでは、経営主体について地方公共団体、もしくは宗教法人、公益法人に限られることとしています。

さらにこの中では許可を与えるにあたっていわゆる「名義貸し」に注意するようにも書かれています。

これは大事なところなのでガイドラインをそのまま引用します。

 何をもって具体的に「名義貸し」というのかは難しいが、問題となる事例としては例えば次のような場合が考えられる。まず寺院(宗教法人)に対して石材店等の営利企業(仮にA社とする。)が墓地経営の話を持ちかけ、この寺院はA社より資金その他について全面的なバックアップを得て墓地経営の許可を受ける。ところが当の寺院は墓地販売権を始めとした墓地経営については実質的に関与しない取り決めがA社との間で交わされている。そしてA社は墓地使用権とともに墓石を販売して多大な収益を得るが、これは一部を除いて寺院の収入とはならない。しかしながら、使用者とのトラブルについては、最終的な責任者は寺院にあるとしてA社は責任を回避する。そして、運営の安定性を欠いたままで、後には資金力のない寺院と墓地だけが残る、といったような事例である。

(厚生労働省ホームページ「墓地経営・管理の指針等について」より引用)

これを一般の人が見抜くのはなかなかに難しいところではあります。

ただこういう事例がこのガイドラインに記載されているという事実を知っておくだけでも、多少なりとも用心深くなることができるのではないかと思います。

また場所的な要件としては「墓地の設置場所について、周辺の生活環境との調和に配慮されていること」ということが挙げられています。

どうしても墓地等は「迷惑施設」の印象が強く、近隣住民の方の反対も多く見受けられる存在です。

なかなか反対が無くなるのは難しいでしょうが、お参りする側としては少しでもそういうところで神経を使うような関係にはなりたくないところで、墓地等の周辺の雰囲気なども気にかけておきたいところです。

また墓地等の不動産の登記事項証明書を調べればどなたでもわかることとして次の二つがあげられています。

「自ら土地を所有していること」と「土地等に抵当権等が設定されていないこと」というものです。

これは許可時点のお話しですが、万が一許可後に他の所有者に名義が変わっていたりしたら怖いですからね。

まあそんなことは考えにくいこととは思いますが、先程の北陸地方の破たん事例のようなケースもありますので一応はチェックしておくと不安が和らぐと思います。

他にも前回お話ししたように契約書の内容が約款に沿って、明確なものであることや契約解除の際の使用者保護などもうたわれています。

管理の委託方法や管理の質の向上なども書かれています。

他にもこんな感じでこのガイドラインは非常にいろいろなところに気を配った内容になっていて参考になると思います。

大切なお墓選びですから難しい内容かもしれませんが、一度は気にかけていただきたいものです。

ということでこのシリーズはここで一区切りです。

 

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