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「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」のパブコメ結果が発表されました

以前に「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」について少しだけですがこのブログで取り上げたことがありました。

ちなみに興味のある方は遺産分割をなるべくわかりやすく話してみる~番外編~という記事をご覧いただけると幸いです。

で、この中間試案についてパブリックコメントを募集していたことも先ほどの記事内でお話ししたのですが、先日そのパブコメの結果が公表されました。

今日はその内容について確認していくことにします。

とはいえまあこのブログですから・・・、あまりかたくならないように気を付けていきますね。

 

ざっくりと中間試案の内容を確認

冒頭に触れた私の以前のブログ記事でも同じことを書いていますが、まずそもそもこの中間試案の内容についてもう一度ざっくりと確認しましょう。

次の5つのポイントになります。

①配偶者の居住権を保護するための方策

②遺産分割に関する見直し

③遺言制度に関する見直し

④遺留分制度に関する見直し

⑤相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

①については住み慣れたところに配偶者が住み続けられるような「居住権」を作る話。

②は特に現在の法定相続分では配偶者が被相続人の財産を築いてきたうえでの貢献が十分に反映されていないので婚姻期間等に応じてその持分を増やすなどを検討する話。

③は自筆証書遺言の要件を緩和しようかというお話し。

④は遺留分の制度を遺留分権利者の権利行使によって原則金銭債権が発生する方向に改めようかというお話し。

そして⑤は例えば被相続人の息子さんの奥さんが被相続人の介護にがんばってくれたら相続人に金銭請求をできるようにしようかというお話し。

と、ざっくりした説明ですが、こんな感じです。

この試案に対して寄せられた意見募集の結果は167件の意見があったとのことでした。

ではどんな公表の内容になったのでしょうか?

 

意見を簡単にまとめると・・・

まず①配偶者の居住権を保護するための方策についてです。

これについては相続開始時に配偶者が当該建物に住んでいれば遺産分割が終わるまでは無償でその建物を使用できるようにする「短期居住権」と、終身かある程度の長い期間配偶者に当該建物の使用を認める内容の「長期居住権」という方策がありました。

「短期居住権」についてはおおむね賛成の意見が多かったようですが、「長期居住権」については賛否が割れたようです。

「長期居住権」の否の理由については、不動産の売り買いがしにくくなるのではないか、新しい紛争が生じるかもしれない、そもそもニーズが見込めないのでは、内容がいまだに明確ではない、などというものがあげられています。

次に②遺産分割に関する見直しですが、先ほども触れたように配偶者の相続分を引き上げる方向で検討されていました。

が、これについては反対の意見が多数を占めたようです。

主な理由としては被相続人の財産を築いてきたうえでの貢献は、配偶者だけでなく他の相続人や内縁関係の方などにも認められる、夫婦間の貢献度合いが様々である、遺言や寄与分など他の制度もある、といったものがあるようです。

試案では具体的に配偶者の法定相続持分を婚姻期間によって3分の2にできるような内容を考えていたようですが、2016年10月18日に配信された毎日新聞のネットニュースによれば法制審議会は難しいと考えているようです。

その記事を一部引用させていただきます。

 相続法制の見直しを検討する法制審議会(法相の諮問機関)の部会は18日、遺産分割時の配偶者の法定相続分を現行の2分の1から「3分の2」に引き上げることなどを柱とした中間試案について、「試案のままで議論を進めるのは困難」との意見で一致した。同審議会は今後、試案の修正か、代案を検討する。

 (毎日新聞2016年10月18日20時24分配信ネット記事 「<法制審>配偶者3分の2相続「困難」 意見公募で反対多く」より引用)

③自筆証書遺言の要件緩和については方式を緩和することについては賛成意見が多かったようです。

ただこの自筆証書遺言を公的機関などで預かる制度については賛成意見が多いものの反対意見などもあったとのことです。

④遺留分の制度を遺留分権利者の権利行使によって原則金銭債権が発生する方向に改めようかというお話しについては賛成意見が多数を占めたようです。

最後の⑤についてですが、「相続人以外の者の貢献を考慮するための方策」というのが試案に書かれているタイトルでして、これに関しては意見が分かれているようです。

賛成意見は当事者間の公平につながっていくというもの、反対意見は紛争の複雑化や長期化を懸念しているものがあげられています。

と・・・、ちっともわかりやすくないような・・・、すいません。

資料について興味のある方は法務省ウェブサイトの「パブリックコメント」から「結果公示案件一覧」を見てていただくと出てきますのでよろしければご確認ください。

ところで②について中間試案には「可分債権の遺産分割における取扱い」という話も実は入っていました。

これについては次回改めてお話しますね。

 

 

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