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遺言書は「いつ」書くべきなのか?

遺言書のお話しというと、形式がきちんと法定されていたり、遺言書だけでは万全ではないことなどもあってかたいお話しになりがちですが、今日は割合気楽なお話しです。

ちなみに遺言については以前に、自筆証書遺言の要件はなかなかに厳しいというお話しで自筆証書遺言について、公正証書遺言についてでそのまま公正証書遺言について、またそもそも遺言書で何ができるのか?というお話しもしていますので、よろしければあわせてお読みくださいませ。

では今日の気楽なお話し(笑)の本題は遺言書を書くタイミングについてです。

 

元気なうちに一度は書いてみる

「もうちょっと先でいいかな」

これが遺言書を書こうかどうか悩んでいる方が、結局最後に思うところではないでしょうか?

で、先に延ばしてしまうということになり、ついつい書く時期を逸してしまうことになりがちです。

遺言書は物事の判断能力がしっかりしている時期にこそ、書いておくべきものなのですけどね。

というのも民法の第963条には次のような規定があります。

第963条 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。

そう、おわかりのように遺言を書くときは遺言する能力がないといけないのですね。

条文では制限行為能力者という被保佐人とか被補助人、成年被後見人と呼ばれる人も遺言を書くことができるようになっています。(民法第962条にその旨規定があります。)

ただ成年被後見人になった場合には次の条文に従った遺言でないといけません。

(成年被後見人の遺言)

第973条第1項 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。

とはいえ、こんな条文に記載されているような状況ってなかなかねえ・・・。

「一時回復」ってのも難しいし、お医者様二人というのも実際には厳しいですよね。

仮に成年被後見人になっていなくても果たして遺言書を書く能力があるのか、というのはやはり高齢になるほどについて回ってくる問題です。

それにそもそも遺言する能力があるのかないのか、ということをジャッジすることもまた難しい話です。

遺言書の有効性の裁判だって起きていて、そこでは遺言書を書くことのできる能力があったかどうかが争点になっていたりもするわけです。

そもそも相続のトラブルを防ぐために遺言書を書こうというのに、それがトラブルに発展するのは悲しいですからね。

ですから「どういう風に相続財産を分割するか指定する」という行為はやはりちゃんと考える能力があるときにこそ一度は作ってみるものなのです。

 

何回でも書き直せる

遺言書は何度でも書き直しができます。

もし前の遺言書と後の遺言書で内容のぶつかる部分があった場合は後の遺言書の効力が優先されます。

より最終の意思表示に近くなるからですね。

でも実務的に書き直しするときは、そもそも「年月日付の遺言書のすべてを撤回し」なんて書いて、部分的な効力の点についてめんどくさくならないようにします。

つまり全部撤回する形をとっていけばいいわけです。

自筆証書の遺言であれば何度でも自分で書き直しできますし、別に公正証書遺言を自筆証書遺言で全部撤回しても構わないわけです。

と考えればまず「元気なうちに一度は書く」という行為は実は相続についての考えを自分自身で視覚化する作業だと思っていただければいいわけです。

ちょっと手短で恐縮なので、この話次回もうちょっと続けますね。

 

 

 

 

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