ブログ

わかりやすく基本的な保険のはなし~その8~

「わかりやすく基本的な保険のはなし」というテーマでお話しをしています。

わかりやすく基本的な保険のはなし~その1~では遺族保障と必要保障額のお話しについての入り口になるお話しをさせていただき、~その2~では「必要保障額」のうち特に「支出見込額」についてお話させていただきました。

~その3~では「必要保障額」のうち特に「収入見込額」の「柱」である遺族年金についてざっとお話しして、~その4~では「収入見込額」の続きで遺族年金以外の「収入見込額」と「必要保障額」が適正かどうかについてお話ししました。

「必要保障額」が出てきたところで~その5~から生命保険の基本的な種類のお話しとして「定期保険」と「終身保険」について、~その6~では養老保険と保険の組立てについて少しお話しました。

そして前回~その7~では続きとして収入保障保険などその他のいろいろな保険のお話をしました。

今日は最近流行の医療関係の保険についてお話しをする前にそもそも医療保険が必要なのかどうかのお話しをします。

ただなんどもお話ししていますように今日のお話しも俗にいう「教科書」のようなお話しです。

ホントに基本的なことしかお話ししませんので、気楽な気持ちでお付き合いくださいね。

 

そもそも医療保険は加入すべきか

本題のいろんな商品のお話しをする前に、そもそも医療保険自体に入る必要性があるのか?という問題はついてまわります。

ネットなどを見ていても、また書籍や雑誌などでも医療保険については否定的な意見が結構多いということもあります。

で、そもそもなぜこういう否定的な意見が出てくるのでしょうか?

それは日本の医療費に関する制度から来ています。

まず「高額療養費」制度と言われる健康保険の制度があります。

これは医療費がたくさんかかってもある一定の水準を超えた部分は負担をしなくてもいいという制度です。

かつてはこの制度は後払いしかできない形で一旦自分で医療費の自己負担分を支払った後、後から先ほどお話しした水準を超えた部分、すなわち高額療養費部分がもどってくる仕組みでした。

つまり一旦は現金が必要だったのです。

しかし現在はこの原則が維持されつつも、事前に「限度額適用認定証」という書類を保険者に申請して交付してもらえれば、それを医療機関に提示することで、医療機関窓口で自己負担分しか支払わなくても済むような仕組みもできました。

つまり後払いでなくなるのです。

余談ですが、私の親父が亡くなる間際にしばらく入院していました際にこの制度を利用して後払いをすることなく済ませました。

決して裕福ではない我が家にとっては大いに助かったところです。

なお注意点としては入院時の食事代一部負担額や差額ベッド代、先進医療技術料などは高額療養費に含まれませんのでご注意ください。

さてこの高額療養費ですが、平成27年1月より所得要件が細分化されていますので、詳細は下記の厚生労働省のHPをご覧ください。

リンク先 厚生労働省ホームページ 「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

わかりやすくするため一つ例を挙げると先程の厚生労働省HPにある資料によれば、年収が約370万円から約770万円の方の場合、次の算式から高額療養費が導き出されます。

 「自己負担限度額(月額)=80,100円+(医療費-267,000円)×1%」

 「窓口負担額-自己負担限度額(月額)=高額療養費」

ここでいう「医療費」は自己負担額ではないことに注意です。

仮にある月の窓口負担額が30万円であれば、その月の医療費は100万円になります。

この場合、先程の算式の例においては、

 「80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

 「300,000円-87,430円=212,570円

この212,570円が高額療養費であり、高額療養費差し引き後の自己負担額は87,430円になります。

さらにもう一つ税法上の制度として「医療費控除」があります。

高額療養費は月ベースであるのに対して、医療費控除は年間ベースの話で確定申告の必要がありますが、この制度の利用も可能です。

ある年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費の合計、つまり窓口の自己負担額から保険金などで補てんされる金額を差し引いて、さらにそこからその年の総所得金額が200万円以上の方は10万円を差し引いた額を税金の計算上、その方の所得から差し引ける制度です。

式は次のような感じです。

「医療費控除=支出した医療費合計-保険金などで補てんされる金額-10万円(この10万円は総所得金額200万円以上のケース)」

ただし高額療養費も「保険金などで補てんされる金額」に該当するため、先程の「限度額適用認定証」を利用した方は「実際に支払った金額」に高額療養費を足し戻して、そこから「保険金などで補てんされる金額」の中にも高額療養費は入るのでそこに加えて引き算する必要が出てきます。

多少ではありますが、税金を下げることができるかもしれません。

とまあいろいろとお話ししてきましたが、こういう制度がある上に自宅のある程度の現金の貯えがあれば、わざわざ医療保険に加入しなくてもいいのではないか?というのが冒頭の「加入すべきか」というお話しの検討材料になるのです。

また「ある程度の貯え」と書きましたが、これにも様々な意見があり「100万円」だ「150万円」だという意見もあれば「10万円だ」「20万円だ」という話もあります。

ただ逆に言えば100万円前後の非常用の貯えがあれば、保険料を支払うのでなく保険料をさらなる貯えに回すという方法もあるわけです。

もちろん今後も高額療養費制度などの公的保険制度が維持できるのかどうかは国の財政の問題などもあって心配な方もいらっしゃるかもしれません。

実際来年平成29年度の予算編成においては一部の高齢者を中心に負担を増やすなどの高額療養費制度の見直しが検討されているなどの報道もなされています。

がとりあえず今のところはこの制度は利用可能なわけで、どうしてもということでなければ医療保険に加入することはない、というのがよく聞かれる話の理由とお考えいただければと思います。

前振りが長くなりましたが次回も医療保険系統のお話しです。

 

 

 

 

関連記事

ページ上部へ戻る