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親子といわゆる「墓じまい」

終活とお墓のはなしをしています。

~その1~では終活や関連業務に対する私の想いや終活の総論としての四つのポイントお話し、~その2~では「墓地、埋葬等に関する法律」と「火葬許可証」やいわゆる「手元供養」のお話しをしました。

~その3~では「祭祀」に関するお話しをしまして、~その4~では様々な供養に関するお話しをしました。

前回~その5~では終活とお墓に関する考え方についてまとめてみました。

今日は最後にもう少しだけお話しを続けたいと思います。

 

親世代は残さず使うことも考える

ちょっとお墓の話からは脱線するのですが、ここ何年かご相談を受けた親世代の方の中にいくつか見られるご意見として次のようなものがあります。

「まあ今は私が元気だからいいけど、もし介護とか必要になっても子供たちが先々面倒見てくれるかどうかわからないですからね。」

子供たちに迷惑をかけたくないとおもう一方で、子供たちにも家族があることから何かあってもそうそうあてにはできない、ということも併せて考えている方が結構いらっしゃるように感じています。

ですから例えば夫が亡くなって妻が残された場合、自宅不動産などはいわゆる第二相続が発生することを考慮してはいても、それでも妻が自分の名義にしたいと希望するケースは意外に多い、というのが印象です。

もちろんこの相続をするともし妻の判断能力が衰えて認知症等になると、例えば施設の料金の支払いに充当するため自宅を売却しようと思っても、法定後見制度を利用する必要が出てきたりとなかなか面倒な手続きが増えてくることも想定されます。

が、その時はその時のこと、と思い切って割り切ってしまうことも必要かもしれません。

最近も高齢者の方が「先のことが不安だからお金を使わない」というような見解をよく見ます。

高齢者の方の不安というのは実は「早めに子供たちに財産を移して、自分の生活が成り立たなくなったら困る」という想いだと思います。

そして今回のお話しのメインでもあるお墓のことも同じです。

お墓のあとを子供が守ってくれるなんて思わない、つまりあてにしないと決めることも大いにあり得る話だと思います。

だとすれば、親世代が判断能力のあるうちに代々のお墓を整理して、自分たちの好きな墓に入ることを考えるのも一つの選択だと思います。

いわゆる「墓じまい」をする選択がここに出てくるわけですね。

 

「墓じまい」とは、つまり・・・

最近よく聞かれるようになったこの「墓じまい」という言葉は、もちろん法律上の言葉ではありません。

何やら「店じまい」のようなことばなので、「墓じまい」と宣言すれば墓を終わりにできるような錯覚に陥るかもしれません。

が、この「墓じまい」、基本はこのお話しのシリーズの~その3~でお話しした「改葬」と同じなのです。

つまり墓を閉めると言っても、単純にやめるというわけにはいかないのです。

まあでもそれはそうですよね。

考えていただければおわかりのように、その墓にはお骨を収められているわけですから、そのお骨の行先をきちんと定めない限りは、そのお墓を閉めるわけにはいかないですもんね。

ですからそのお骨の行き先を確保しないと結局「墓じまい」はできないことになります。

さてこの「改葬」ですが、市区町村に許可申請をしなければいけません。

でこのときの申請書には添付書類が必要になります。

これについて「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」の第二条第二項に規定があって、墓地や納骨堂の管理者が作成した埋葬、埋蔵、収蔵の事実を証する書面というものがあります。

また新しい墓地などがそのお骨を収めてくれる証明としていわゆる「受入証明書」と呼ばれるものも必要になります。

つまり受け入れ先を決めてその受け入れ先の証明書をもらうことと今までお世話になった墓地などに今、お骨を収めているという証明書が必要になるわけです。

もちろんこの書類以外にも様々な手続き関係や費用がかかることはすでにお話ししたとおりです。

ですからもし親世代の方が自分たちの代でお墓をしめようと考えるのであれば、判断能力もさることながら金銭的にも余裕があり、何よりも体がまだまだ動く、という時に手掛けることが必要になってきます。

子供たちをあてにしない「終活」はこのお墓のことに代表されるように、自分たちが主導的に動く、という必要が出てきます。

またいくら子供たちをあてにしないとは言っても、まったく話をせずに進めることも避けた方がいいでしょう。

せめて「こういう風にするから」という意思表示はすべきだと思います。

仮に子供たちと意見の相違があっても、きちんと話して納得してもらうことがやはり重要です。

 

ということで6回に分けてお話しをしてきましたが、このシリーズはここで一区切りさせていただきます。

「終活」は親世代のみをターゲットにしたビジネス的な側面がこれまでは強かったと思います。

もちろん親世代がきちんと考えて意思表示をしていくことが大切ではありますが、お墓のことから考えていくとやはり子世代とある程度の意思の疎通を図りながら進めていくことがとても重要だと私は考えています。

親世代、子世代問わず悩みや考えのまとまらないことなどあれば、お気軽にご相談ください。

 

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