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相続に関するルールが見直されるかもしれない

さて前回まで4回にわたって遺産分割についてお話をしてきました。

遺産分割をなるべくわかりやすく話してみるでは主に相続財産について、遺産分割の考え方と手続きでは遺産分割の大枠についてお話してきました。

また遺産分割3つの方法では遺産分割の方法について、そして前回遺産分割協議書の記載例を見てみようでは遺産分割協議書をみていただきました。

このシリーズはこれで終わりなのですが、最後にちょっと番外編として、最近出された相続に関する民法改正に向けての動きなどをお話しします。

 

時代の変化と相続知識

実は平成28年7月12日から9月30日までの間、法務省がパブリックコメントという意見募集をしています。

募集している内容は法務省の民法(相続関係)部会で取りまとめられた「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」という案件についてです。

ちなみに下記に法務省ウェブサイト内の当該ページのリンクを張っておきますね。

 法務省ウェブサイト内民法(相続関係)等の改正に関する中間試案(平成28年6月21日)の取りまとめ

この中身を読むと今までの相続に関する民法のルールについていろいろな角度から改正を検討していることがわかります。

実は今回「遺産分割をなるべくわかりやすく話してみる」シリーズの冒頭で日付の記載をさせていただき、その理由をあとでお話しします、とお話しししました。

というのは、もしや数年先に改正になった場合、このブログを続けていれば修正前に閲覧されると古い内容になってしまう可能性があったため事前に日付のお断りをさせていただいた次第です。

さて話を戻します。

この法務省民事局が平成28年7月に示した中間試案の概要がPDF1枚で上記リンクの中にあります。

その最初に諮問の内容という記載がありますのでここにそれを引用させていただきましょう。

高齢化社会の進展や家族の在り方に関する国民意識の変化等の社会情勢に鑑み、配偶者の死亡により残された他方配偶者の生活への配慮等の観点から、相続に関する規律を見直す必要があると思われるので、その要綱を示されたい。(諮問第100号)

(法務省ウェブサイト内 法務省民事局平成28年7月発表 「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案(概要)」より) 

この諮問の内容では高齢化社会のお話しが中心ですが、今回の中間試案では主に5つの点での見直しなどを考えているようです。

詳しくは先程のリンク先を見ていただきたいのですが議論の内容のみ表題のみ抜き書きすると以下の5つになります。

①配偶者の居住権を保護するための方策

②遺産分割に関する見直し

③遺言制度に関する見直し

④遺留分制度に関する見直し

⑤相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

①については住み慣れたところに配偶者が住み続けられるような「居住権」を作る話。

②は特に現在の法定相続分では配偶者が被相続人の財産を築いてきたうえでの貢献が十分に反映されていないので婚姻期間等に応じてその持分を増やすなどを検討する話。

で、この①と②については子供たちも自分たちの生活基盤があるであろうから、残された高齢配偶者の生活保障することにウエイトを置くという趣旨のようですね。

実際、平成27年4月21日に開かれた法制審議会民法(相続関係)部会第1回会議の「相続法制の見直しに当たっての検討課題」という資料の冒頭にそんなことが書かれています。

興味のある方は法務省ウェブサイト内の法制審議会民法(相続関係)部会第1回会議(平成27年4月21日)開催の中にある資料に詳細がありますのでそちらを見てくださいね。

さてもどって③は自筆証書遺言の要件を緩和しようかというお話し。

④は遺留分の制度を遺留分権利者の権利行使によって原則金銭債権が発生する方向に改めようかというお話し。

そして⑤は例えば被相続人の息子さんの奥さんが被相続人の介護にがんばってくれたら相続人に金銭請求をできるようにしようかというお話し。

と、ざっくりした説明ですが、こんな感じで議論の取りまとめが行われたようですね。

実際の改正にはまだまだ時間がかかりそうですが、意見募集が始まっている以上、もう少し時代に合った相続の制度に変えていこうという方向で国も検討しているわけです。

さらに言えば非嫡出子の法定相続分も最高裁判所の判決があったことにより、平成25年に改正されて嫡出子と平等になったことは記憶に新しいところだと思います。

また成年後見制度にもいろいろな課題が浮き彫りになったり、新たに「家族信託」といった考え方も登場したりと、高齢化を受けて相続の知識は遺産分割も含め様々に変わろうとしているように見受けられます。

こちらでも引き続き情報は発信していきますが、みなさんも様々なところで発信される情報に注意深く触れていただきながら、新しい情報を取り入れていただければ、ご自身のためにも役に立つものと思います。

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