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遺産分割3つの方法

遺産分割についてお話をしています。

遺産分割をなるべくわかりやすく話してみるでは主に相続財産のお話を、遺産分割の考え方と手続きでは遺産分割の大まかなところをお話させていただきました。

今日(2016年7月23日)はその2の続きで民法第907条の2項3項にかかってくるお話からです。

 

協議が整わなければ家庭裁判所

もう一度民法第907条に登場してもらいましょう。

(遺産の分割の協議又は審判等)

民法第907条

第1項 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。

第2項 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。

第3項 前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。

前回お話しましたが共同相続人のみなさんは、民法上いつでも遺産分割の話し合いができます。

これが俗に言う「遺産分割協議」ですね。

で、この協議が整わない場合はどうするのか?ということの答えが第2項、第3項に出てくるわけです。

家庭裁判所に遺産分割の調停や審判を申し立ててお願いすることになります。

この場合には私などの手からはお仕事としては離れてしまい、弁護士さんなどにお願いするケースになっていきます。

ちなみに余談ですが、裁判所ウェブサイト内で閲覧できる司法統計によれば、遺産の分割に関する処分について審判や調停を求める事件は両方あわせて平成24年から26年まで3年続けて1万5千件をこえています。

遺産分割をなるべくわかりやすく話してみる~その2~でお話しした民法第906条の考え方が受け入れられるのは難しいだろうなあ、ということもこのあたりからわかっていただけると思います。

 

遺産分割の方法

さてそんな遺産分割ですが、この方法には3つの方法があるといわれます。

①現物分割

②換価分割

③代償分割

という3つの方法です。

①の現物分割はもっともオーソドックスな方法で、ほとんどの方がこの方法に「現物分割」という言葉があると知らずにごく普通に実行している感じですね。

そして遺産分割協議書を用いることになる時はほとんどこの形でしょう。

お父さんが亡くなって相続人がお母さんとお子さん二人というケースで、自宅はお母さんの名義、預貯金を子供二人で分け合う、みたいなパターンです。

②の換価分割は「換価」という言葉がポイントです。

「換価」という言葉は本来は「値踏み」を意味する言葉のようですが、法律的には金銭的価値に換える、簡単にいえば「お金に換える」という意味です。

つまり共同相続人が取得した不動産などをお金に換えて分け合う形の分割です。

③の「代償分割」は「代わりに償う」という言葉が入っています。

この意味は、たとえば共同相続人の一人であるAさんが唯一の相続財産である不動産を取得した場合、もう一人の相続人Bさんに対して、Aさんの財産の中から代償を支払う、というものです。

ポイントは相続財産からではなく「Aさんの財産」からBさんに支払うということです。

ですから「代償」なのです。

この「代償分割」の文言は意外に遺産分割協議書に書きこむことが多く、実務で私も分割協議書作成の際に加えることがあります。

「Aは前号記載の不動産を取得する代償として、Bに対し金○○万円を、平成28年○月○日までに支払う。」

みたいな文言ですね。

それからこの代償分割で注意が必要なのは、今の例でAさんがBさんにお金ではなく不動産を代償として支払った場合には譲渡所得税が発生する可能性が出てくるということです。

なので代償として支払う財産が不動産などの場合は事前に税務署や税理士さんにご相談いただくことが大切です。

 

相続人に未成年者がいたらどうするか

もうひとつ共同相続人のうち未成年者の方がいる場合はちょっと神経を使います。

成人前のお子さんを残して旅立たざるを得ない被相続人の方の心中は察するにあまりあるのものです。

しかも不憫なのはこのケースにおいてお子さんともう一人の親御さんとの間での分割協議はできないんです。

そこでお子さんのためになる方、たとえばおじいさま、おばあさまなどに特別代理人という立場になっていただき、代わりに分割協議をしていただくことになります。

この手続きは家庭裁判所にお願いする必要があるためご自分で手続きしていただくか、弁護士さん司法書士さんなどにお願いしてその申し立ての手続きをしていただきその審判がおりてから分割協議をする必要が出てきます。

このあたり私の事務所では、司法書士さんなど外部にお願いできる方もいらっしゃいますのでお気軽にご相談くださいね。

さて、このシリーズはたぶん次回が最後かな。

ということでまた。

 

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