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遺産分割をなるべくわかりやすく話してみる

今日から何回か「遺産分割」についてお話しします。

なお「今日」と断りましたがこのお話しは平成28年7月21日時点のお話しになります。

ここで日付についての説明をあえてはさんだ理由はあらためてこのシリーズ最後のほうでお話しさせていただきますね。

 

遺産を分け合う手続き

遺産分割は亡くなった方の財産を文字通り「分割」することです。

まあもっと簡単に言えば「分け合う」ということになりますかね。

ところでそもそもなぜ遺産を「分け合う」作業が必要になるのでしょうか。

それはわかりやすく言えば(多少乱暴かもしれませんが)「相続が発生した場合に遺産はいったん相続人みんなのものになる」ということが大きな理由です。

民法の第898条という条文に次のような記載があります。

(共同相続の効力)

第898条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。

例えば不動産を何もしないでおいておくと俗にいう「法定相続分」ってやつで共有する状態になってしまっているわけですから、これを誰か一人の名義にしようと思ったら遺産分割をしないといけないわけですね。

 

相続財産ってどれ?

ところで本題に入る前にこの「民法でいう相続財産」ってどんな財産でしょうか。

というよりもこの「民法でいう相続財産」の中に入らないものがあるのですが、どんな財産だと皆さん思いますか?

まずよく言われるものは「一身専属権」と言われるものです。

何やら小難しい言葉が出てきましたが、よくこのお話しの例として用いられるものに生活保護の受給権があります。

というのも生活保護の受給権は亡くなった人だけのもので相続人に相続されないというお話しが有名な裁判所の判例として残っているからなんです。

ここでは細かいお話しは省略しますが、法律系資格の受験勉強をしていると必ず出てくる「朝日訴訟」という判例です。

この裁判で最高裁判所は、生活保護受給の権利が亡くなった人の一身専属権だという判決を出しています。

つまり生活保護の受給資格は相続の対象にならないということですね。

興味のある方は「朝日訴訟」で検索いただくとたくさんの解説が出てくると思いますので、お試しくださいませ。

さて他の一身専属権としては当然と言えば当然ですが私の行政書士やFPの資格ももちろん一身専属権です。

そりゃ誰かに相続できるもんじゃないですからね。

では一身専属権以外で相続財産に含まれないものって何があるでしょうか。

よく勘違いの発生するものの一つが例えば夫が亡くなって妻が受取人になる生命保険の死亡保険金です。

この死亡保険金は「民法上の相続財産」には含まれません。

ですから遺産分割の対象にもならないわけです。

(ただし相続人の一人だけが極端に高額な保険金をもらうケースでは、相続人同士でとってもとっても不公平な感じになる場合に特別受益の持ち戻しの対象になることもあるようです。

が、これはこのブログで扱うにはかな~り難しい話になりますのでここでは省略します。)

ところが死亡保険金は「税法上」では「みなし相続財産」とよばれ税金の計算上相続財産として扱われます。

500万円×法定相続人の数(養子の方がいる場合は養子の人数にその限度があります。)が非課税限度額とされ、この非課税限度額を超えた部分は相続税の課税対象となります。

また死亡退職金も死亡保険金とほぼ同じような取り扱いになってきます。

更に相続財産に含まれないものとして、有名なものが「香典」です。

「香典」はよく言われますが相続財産ではなく喪主の方のものになります。

ということで、遺産分割の対象になるのはどうやら不動産やら預貯金やら有価証券やらという感じになりますかね。

この辺りはおそらく一般的にみなさんも意識されているイメージどおりの遺産ということでよろしいのではないでしょうか。

ちなみに先ほど「不動産」と申し上げましたが「借地」、つまり建物が亡くなった方のもので土地を他の方からお金を払って借りている場合、その土地を借りている権利(いわゆる「借地権」というやつです。)もここでいう相続財産になります。

したがって借地権も遺産分割の対象になります。

もうちょっとお話ししようかと思いましたが、結構長くなりそうなので、今日はこの辺りで失礼します。

続きはまた次回。

 

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